記事検索はこちらで→
2020.08.26

WING

世界の座席供給量、8月は3週連続で前週割れ

航空会社の今夏への期待は空振りに

 

 8月が終わりに近づき、8月最終週となった今週、世界の航空会社が提供する座席数は、先週に比べて約70万席減少したことが明らかになった。新型コロナウイルスのパンデミックが収束しないなか、夏の旅行シーズンにあるにも係わらず、蓋を明けてみれば8月は3週連続で座席供給量が前の週から削減する傾向が続いた。英国でフライトデータサービスなどを提供するOAGのジョン・グラント氏が明らかにした。
 新型コロナ禍にあって航空会社は直前まで座席供給量を調整する動きをみせている。航空会社としては夏の旅行シーズン需要に期待したいところではあっただろうが、8月には毎週のように座席供給量を削減していることから、航空各社の期待は空振りとなった様相だ。
 日本国内の航空会社がそうであったように、世界の航空会社は夏の旅行シーズン需要を見据え、当初は7-8月の座席供給量を拡大させていた。ところがパンデミックは収束するどころか感染拡大の一途を辿り、各地でむしろ規制を強める動きも顕在化。その結果、8月にはそれまでの座席供給量回復の流れは逆転し、小幅ながらも毎週のように座席供給量を削減する動きへと転じた。
 グラント氏は「さらなる回復への最大の障壁の一つは、世界各地におけるロックダウンや国・地域間における渡航制限だ。航空会社と潜在的な旅行者の双方にとって、ますますフラストレーションが溜まりつつある状況にある」との見方を示した。

 

※写真=8月は3週連続で前の週の提供座席を下回る結果に。期待した夏の需要は伸びず蓋をあけてみれば供給減少傾向が続いた(提供:OAG)