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2020.06.30

ウイングトラベル

★ANAHD片野坂社長「人の移動の想い止められず」

 「パラダイム変化見据え事業構造改革を断行」

 ANAホールディングスの第75回定時株主総会が6月29日、都内で開催された。新型コロナウイルスの感染拡大を機に、リモートワークやオンライン会議普及などが、航空会社の事業環境に逆風となることが一部で予想されているが、ANAHDの片野坂真哉社長は「オンライン会議なども多少定着するかもしれないが、外出自粛が解除された国内線予約動向をみると、やはりフェイス・トゥー・フェイスでの商談や故郷への帰省、日本や海外の観光地を訪れたいという人々の移動に対する想いは止めることができない」とし、コロナ危機を通じて新たな生活様式「ニューノーマル」が広がりつつあるなかにあっても、人の移動に対する欲求は継続するだろうとの考えを明かした。

 

 手元資金、1兆円確保「当面は問題ない」
 「必要に応じ資金調達で手元流動性確保」

 片野坂社長は今年の見通しについて、「今年2月から旅客数は減少傾向になり、3月の旅客数は国際線が前年から72%の減少、国内線も59%の減少となった。4月から5月の旅客数は、ANA国際線、国内線ともに9割以上の減少となった」とし、感染拡大以降、厳しい状況が続いていることを明かした。
 大規模な運休・減便中にも手元資金の大規模な流出が続くことから、4月から6月の3ヵ月間に渡って、ANAホールディングスは手元資金の確保に動いた。その結果、民間金融機関および日本政策投資銀行を通じて、計5350億円規模の借り入れを実施した。さらに融資枠を既存の1500億円から5000億円に拡大しており、借入金とあわせて合計1兆円規模を確保することに成功している。