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2020.02.25

WING

SUBARU、次期戦闘機プログラムは宇都宮で

デジタル技術採り入れ戦闘機生産性向上も視野

 航空自衛隊の次期戦闘機開発が、いよいよ本格的に始動することになった。国防を担い、かつ国の一大事業となるプログラムだけに、航空宇宙産業の一翼を担うSUBARU航空宇宙カンパニーもまた、このプログラムには大きな期待を寄せる。SUBARU航空宇宙カンパニーの戸塚正一郎プレジデント(常務執行役員)は、「我々はこれまで培ってきた実績を発揮して、我々が有する全てを注いで、日本の技術としての戦闘機インテグレーションに貢献することができればと考えている」と話した。「(SUBARUは)どのような部位であろうと、防衛省機および民間機の開発・製造で一通り取り組んだ経験を有していると考えて良い。次期戦闘機開発プログラムでも、オール・ジャパンのなかで、我々が貢献できるところがあれば、是非ともしっかりと取り組みたい」と話し、次期戦闘機開発プログラムに意欲を示す。
 その上で、SUBARUとしては「我々は(主契約者に対して)協力する側に回ることになるであろうが、この栃木県宇都宮で開発・製造することになるだろう」との認識を示しつつ、「栃木県内のサプライヤーを中心に、事業に取り組むことができれば」と話し、SUBARUとしては担当部位の製造を、宇都宮製作所を軸として臨みたいとの考えを示した。
 「宇都宮製作所の北半分は旧エコテクノロジーカンパニーが使用していたところで、鉄道車両工場だった。社名をSUBARUにした時に、この工場は航空宇宙事業の拠点としていくことを決定しており、工場の北側は依然、残されている」との認識を示しつつ、「宇都宮製作所南第二工場にも、土地はある」ことにも触れるなど、宇都宮製作所内には利用することが可能な土地が残されていることを明かした。
 また、次期戦闘機の担当部位の製造には、昨今、民間機の製造で多用するようになってきたIoTやAIなどといったデジタル技術を活用した生産ラインを構築することも示唆。「デジタル技術をフル活用した生産システムが、これだけ話題になっている訳であり、自動化、省人化に取り組むことになるだろう」とコメント。さらに、「大事なことはモノの流れ、データの流れが同じで整合していること」であることにも触れた。・・・

 

ステルスインテークダクト、高い性能評価
エンジンと組合せてステルス性能評価など継続

 

 また、次期戦闘機用にSUBARUが研究開発を進めてきたステルスインテークダクトの研究試作について、・・・

 

気になる次期戦闘機の開発・製造体制
SUBARUは如何に考えるか?

 

 次期戦闘機プログラム参画に意欲を燃やすSUBARUだが、気になるのがその開発・製造体制だ。・・・
 (以下、次号以降に続く)

 

※図=ステルスインテークダクトの研究試作では高い評価を得た。SUBARUは次期戦闘機開発プログラムに意欲を示す(提供:防衛装備庁)

※写真=航空宇宙カンパニーの戸塚正一郎プレジデント(常務執行役員、写真右側)と、
若井ヴァイス・プレジデント(執行役員)

※写真=SUBARU宇都宮製作所。ここを軸に次期戦闘機の担当部位製造に臨む考え(提供:SUBARU)