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2020.02.07

WING

スペースジェット、初号機納入は21年度以降に

最終形態の飛行試験機、春先初飛行を計画

 三菱重工は2月6日、2020年3月期決算を発表した。その席上、三菱重工の泉澤清次社長は開発中のスペースジェットについて、ローンチカスタマーである全日空(ANA)に対するM90初号機の納入時期は、「2021年度以降になると判断した」ことを明らかにした。正式なスケジュールについては、現在県営名古屋空港において地上試験中の設計改修を反映した10号機の初飛行および米国へのフェリーフライトの時期によるとして、フェリーフライトの時期が決まり次第、あらためて発表するとした。
 2020年度半ばにANAに初号機を納入する計画だったスペースジェットにとって、今回のスケジュール改訂は6度目の遅延だ。世界市場で勝負しなければならない完成機事業にとって信頼は第一。6度目のスケジュール改訂に際しては、現在のところ「新たなキャンセルなどは把握していない」とのことだが、国産旅客機スペースジェットは、更なる茨道を歩むことになりそうだ。
 スペースジェット開発の最大のネックとなっているのは、型式証明取得に必要な改修を施した機体開発の遅れだ。改修施した機体は1月に工場内における作業を完了してロールアウト、現在、県営名古屋空港(小牧)で地上試験中であるなど、思い描いたように型式証明の飛行試験は進まない。
 これまでに3500時間以上の飛行時間を積み重ねたとのことだが、型式証明を取得する最終形態の機体で実施した飛行試験ではないことは大きなジレンマだ。
 泉澤社長によると、・・・

 

※写真=スペースジェットは6回目のスケジュール改訂。2021年度以降に初号機納入を計画する。より具体的なスケジュールは設計改修を適用した10号機が飛行試験の本拠地モーゼスレークに飛行するタイミングであらためて発表する

※写真=6度目のスケジュール改訂を発表する三菱重工・泉澤社長