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2018.06.06

WING

小野寺防衛相、米朝会談前にも圧力継続

 日米韓の緊密な連携、対北朝鮮へ継続

 

 小野寺五典防衛大臣は6月5日の閣議後会見で、今月12日に予定する米朝首脳会談を前に、米側が北朝鮮へ条件を譲歩する姿勢を滲ませるも、日米韓を含めて「引き続き圧力をかけ続けていく」とし、先日に行った防衛相会談でも確認していることを強調した。さらに警戒監視も「”瀬取り”の監視などはしっかりとやっていきたい」と述べ、厳しい姿勢を維持する考えを示した。
 米国と北朝鮮は、米朝首脳会談に向けて調整を進めている。今月1日には、ドナルド・トランプ米大統領が北朝鮮のキム・ヨンチョル副委員長と会談。ここでトランプ大統領から「非核化は急がなくても良い」と、非核化を段階的に進めることを認めたとも取れる発言があったとされる。一旦は会談の中止へ進む動きもあったが、再度実施へ動き出すと、米側の柔和な姿勢が目立つようになった。
 小野寺大臣は米朝での動きを受けて、北朝鮮問題の最終的なゴールが、朝鮮半島における、完全で検証可能、かつ不可逆的な方法での非核化(CVID)であり、そのための外交努力を行っていくということが大事だと説明した。また、トランプ大統領自身も、北朝鮮が行動するまで制裁を解除しないと発言しているとして、日本として制裁の継続に対応していく考えだとした。
 また、トランプ大統領は1日の会見で、米朝首脳会談において朝鮮戦争の終結に関する文書へ署名する可能性に言及した。一部報道では、その発言を受けて韓国ムン・ジェイン大統領が会談直後にシンガポールを訪れて、朝鮮戦争の終結宣言を行うことが検討されているという。小野寺大臣は、他国に対する発言を控えるとしながら、日本として引き続き、米韓との3ヵ国で連携して取り組むとした。
 また小野寺大臣は、瀬取りに関する警戒監視活動について、オーストラリア、カナダによる活動が予定どおり終了となるも、今後も「それぞれの国が連携を取り合って対応をしていきたい」と説明した。
 北朝鮮による瀬取りを含む違法な海上での活動については、自衛隊として警戒監視を行ってきたところだが、4月下旬からオーストラリアのP-8哨戒機と、カナダのCP-140哨戒機がそれぞれ嘉手納飛行場へ派遣され、警戒監視の任務に当たっていた。小野寺大臣は海外からの活動について、当初からの予定として、P-8が6月1日に任務を終え、CP-140も6月3日に任務を終えて、もとの所属基地へ戻っていったことを説明。あくまで予定どおりだとして、任務の終了は政治的な動きを受け他ものではないことを強調した。

 

 嘉手納へ14機のF-22Aが暫定配備
 米側がインド太平洋地域の安定へ姿勢強調

 

 小野寺大臣は、14機のF-22Aが「5月30日から約1ヵ月間、嘉手納飛行場に暫定展開する」と述べ、アメリカ空軍から連絡があったと説明した。30日までに10機が飛来したとのこと。米軍によるとこの嘉手納暫定配備は、インド太平洋地域の安定と、安全保障に対して、米国の継続的なコミットメントを示すものだとしている。小野寺大臣は、今回のF-22Aの嘉手納展開が「日米同盟の抑止力の強化、日本およびインド太平洋地域の安全に寄与するものであり、日米同盟にとって極めて重要な取組み」だと語った。
 その一方で、米軍機の運用については、地元へ与える影響を最小限に留めることも重要との考えを示し、米側に対して引き続き、騒音の軽減を図るよう、一層の協力を求めるとし、可能な限り地元の負担軽減に努めていくと述べた。

 

※写真=米国はインド太平洋地域の安定のため、F-22Aを嘉手納へ暫定配備する(提供:USエアフォース)