世界の航空貨物、6月需要は前年比4.8％減少

米中貿易紛争で需要減退、IATA「貿易戦争に勝者なし」

　国際航空運送協会（IATA）が去る8月7日（ジューネーブ現地時間）に発表した、6月の世界の航空貨物市場動向によると、需要を表すFTKが前年同月比ベースで4.8％減少した。米中貿易紛争に端を発する世界経済の減速基調によって、航空貨物需要にも鮮明に影響が出ている様相だ。一方で貨物スペースの供給量を表すAFTKは前年同月比2.6％拡大。これによりFLFは3.5ポイント悪化した45.4％となった。
　IATAのアレクサンドル・ドゥ・ジュニアックCEOは、「世界貿易は貿易摩擦によって引き続き影響を受けている。とくに米中間の摩擦は根深い」ことに言及。「結果として、航空貨物市場は引き続き縮小している」との見方を示した。その上で、「貿易戦争に勝者はいない。貿易に開かれた国境は繁栄を持続させた。それこそが私たちの政治指導者たちが注目しなければならないこと」と警鐘を鳴らした。

※写真＝米中貿易紛争により航空貨物需要が縮小。6月の需要は前年比4.8％減少した（提供：IATA）