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2019.06.05

WING

航空局、認定事業場抜き打ち検査や報告徴収強化へ

最高責任者の権限・責任も強化、不正検査の波に歯止め

 国内の一部の認定事業場において、業務規程に違反するかたちで、検査員資格を有していないスタッフが整備を実施したり、作業手順から逸脱した手順で整備されていたことなどの実態が浮き彫りとなったことを受けて、航空局は「事業場認定に関する一般方針」(サーキュラー)の一部を改正する方針を固めた。具体的には、航空局による抜き打ちの立ち入り検査のほか、報告徴収の強化のほか、認定事業場の最高責任者の権限および責任の強化などを盛り込む。航空局は今年7月頃を目処として、一部改正する「事業場認定に関する一般方針」を施行したい考え。
 この問題はIHIやジャムコといった国の認定事業場において、相次いで問題が発覚。IHIでは民間航空機エンジン整備事業における不適切な検査が行われていたほか、部品製造でも問題が発覚。ジャムコにおいても不適切検査が行われるなど、他業界で取り沙汰されていた検査不正の波が、航空機産業にも押し寄せていたことが浮き彫りとなった。
 こうした事態を受けて国土交通省や経済産業省が不正が発見された企業に対して、業務改善勧告を発するなどの事態となり、日本のものづくりの根幹を揺さぶった。
 航空局としてはこうした検査不正が行われていた背景には、現場の能力を超える業務を行ってきたことが要因の一つであると分析。さらに認定事業場として必要な安全管理システムが十分に機能しなかったとし、不正検査の波に歯止めをかけるべく、サーキュラーの改正に踏み切ることにした。
 抜き打ち検査実施を明記
 適正な人員配置か四半期毎に報告徴収
 最高責任者の選任要件を追加
 最高責任者の権限と責任を強化へ
 印鑑など整備の記録適正管理を追加