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2019.02.25

WING

フロスト&サリバン、世界の戦闘機市場は年平均0.3%成長

中国市場の台頭、「5世代機で更なる成長見込む」

 フロスト&サリバンは昨年12月12日、「戦闘機のグローバル市場:2026年に向けた市場展望」として、市場予測レポートを発表した。そのレポートによると、戦闘機のグローバル市場は2017年実績で457億5000万米ドルだったが、10年後の2026年には472億米ドルになると予測。2017年から2026年にかけて、年平均成長率(CAGR)0.3%の成長することが見込まれるとしている。
 このほど来日したフロスト&サリバンのAPAC公共・防衛部門コンサルティングディレクターのジャネシュ・ジャナルドハナン氏が本紙の取材に応じた。このなかでジャナルドハナン氏は、中国の戦闘機市場が台頭していることに触れつつ、「中国は第5世代機戦闘機の製造を通じて、さらに成長していくだろう」との見通しを示した。
 フロスト&サリバンのレポートでは、戦略的不安定性や現有機材の老朽化および旧式化が進むことにより、今後10年間は戦闘機市場は成長を続けると分析。F-35が今後20年間で主要な戦闘機となり、3000機近くの同機が米国や同盟国などのニーズで製造することになるとしている。また、欧米製戦闘機購入にあたり、予算にゆとりのない国々では、中国のJF-17戦闘機といった低コスト機を調達する傾向にあり、アフリカや中央及び南アメリカ諸国において、シェアを拡大しつつあるとして、戦闘機市場の動向を製品や地域毎に分析している。
 なお、同社がこの市場予測で定義する「戦闘機」には攻撃機、戦闘機、多用途戦闘機の新規調達と近代化改修が対象となり、無人システムは除外しているとのこと。