記事検索はこちらで→
2024.04.15

【潮流】コロナ世代の入社式

 4月1日、新年度を迎えて入社式が一斉に行われた。わが国では、4月は学校をはじめ国内中で入学式・入社式・入庁式など新年度が始まる盛大なイベントの時期なのだが、他にこうしたイベントを開催している国・地域はあるのだろうか。
 欧米の国々で新入社員の「入社式」という概念を聞いたことはない。ただ、オリエンテーション・プログラムやOJT(On-the-Job Training)は、名が示す通り、欧米から導入されたものであろうから、新入社員の入社後の研修自体は欧米を範とするのだろう。
 ただ、日本のように特定の日に正式な入社式を行うという習慣は少ないだろう。国際的には社員は年間を通じて何度でも入社することが可能で、その入社日は企業や職種、業界によって異なる。文化的に似ている中国や韓国などでは、新年や特定の季節に合わせて新入社員を迎える文化もあるだろうが、日本のように一斉に厳格な形式で行うことを聞いたことはない。
 入社式は学校の入学式から繋がる日本独特の習慣かもしれない。とくに、高度経済成長時代を象徴する日本企業の終身雇用や年功序列だった時代の企業が、社員に忠誠心を求めることと関係しているのかもしれない。いずれにしても、成果主義や個々のスキルが重視される時代にあって、入社式も変貌している。