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2025.12.19

WING

ルフトハンザ、リアルタイム飛行経路データで空域有効活用支援

  来年から130機以上のA320に自動飛行プロファイル転送導入

 欧州の空は、慢性的な管制官不足などが理由により、航空管制が要因の遅延便が頻発している。航空会社の業界団体である国際航空運送協会(IATA)がまとめた報告書によれば、欧州で航空管制に起因した航空機の遅延は、過去10年間で2倍以上に膨れ上がっているとのことだ。2015年と2024年を比較すると114%も増加。期間中、運航便数はわずか6.7%の増加に留まった一方、航空交通流管理(ATFM)が原因の遅延が急増しているとした。ちなみに、遅延理由としては、天候やストライキなどの要因は除外している。
 そうしたなかルフトハンザ・グループは、傘下の航空会社が保有する134機のA320を改修し、FANS-Cデジタル通信システムを搭載することを決めた。同社グループは2024年にA320およびA321にADS-C EPP(自動従属監視-契約拡張投影プロファイル)技術の導入を決定。航空機の位置、高度、方向、時刻といった4D飛行経路情報を航空管制にリアルタイムで自動送信するとしていた。これにより、飛行経路を実際の空域の状況に合わせて適切に調整することを可能にするなど、運航経路最適化、CO2排出量削減、そして定時性向上に寄与することを目指す方針だ。