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2018.04.10

WING

日越防衛相会談、自由で開かれたインド太平洋強調

戦略的パートナーシップ促進、日越共同ビジョン署名

 小野寺防衛大臣は4月9日、防衛省を訪れたベトナムのゴー・スアン・リック国防大臣と会談し、「自由で開かれたインド太平洋戦略」の重要性を強調するとともに、ベトナム側も同取組みの主旨を指示。また、朝鮮半島の非核化、さらなる防衛協力・交流の進展への協議継続などで合意した。そのほか両大臣は、防衛分野による日越間の広範な戦略的パートナーシップを促進するため、日越共同ビジョンへ署名を行った。
 小野寺大臣は「自由で開かれたインド太平洋戦略」の取組みで、ベトナムと連携したい考えを示した。国際社会の安定と繁栄のため、法に基づく自由で開かれた海洋秩序が必要だと説明。これを受けてリック大臣は、地域の平和と安定、航行と上空飛行の自由を維持することが重要だとして、インド太平洋地域の自由で開かれた秩序を築く必要があることを強調し、同戦略に対して理解を示した。近年、南シナ海・東シナ海では、中国の一方的な海洋進出が問題化している。自由で開かれたアジア太平洋への協力を拡大することで、こうした中国の動きを牽制することも狙いとなっている。
 地域情勢に関する会談では、北朝鮮や南シナ海を含む地域情勢について意見交換を行った。小野寺大臣は北朝鮮について、完全・検証可能・不可逆的な核・ミサイルの廃棄を実現するため、最大限の圧力の維持が必要だとして、ベトナムと連携する意向を示した。リック大臣は、朝鮮半島の非核化を支持するとともに、国連安保理決議の履行と、日本を含む国際社会と協力する考えを示した。南シナ海情勢については、中国による一方的な行動を見据え、軍事化を含む、一方的な現状変更の自制を求めた。それとともに、国際法に基づく紛争の平和的解決と、南シナ海の実効的な行動規範(COC)の早期妥結について、重要性が高いという認識で一致した。

 

※写真=会談を行った小野寺大臣(左)とリック大臣(右)(提供:防衛省)