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2021.04.08

WING

防衛研究所「東アジア戦略概観2021」で米中新冷戦へ

世界情勢の二極化指摘も各国多極化の動きも

 防衛研究所はこのほど、研究者独自の見解に基づき日本近隣諸国の動向をまとめた「東アジア戦略概観2021」をまとめた。25回目の刊行となる同書では、新型コロナウイルス感染症の拡大によって、米中による大国間競争から生じた分断を加速させたとし、世界秩序の多元化現象が発生。米中間の対立は新冷戦へ悪化した、との見解を示した。中国では、国内の不満を強硬姿勢で対応して政治的権威を立て直し、香港や台湾への姿勢を強硬化した。一方の米国では、トランプ政権下で中国を脅威として対中強硬姿勢を強化した。さらに中露の連携を想定した統合戦闘コンセプトを推進するなど、米中間の対立の影響が強くあらわれていることを示した。
 東アジア戦略概観は、日本政府や防衛省としての見解を示すものではなく、あくまで研究者独自の分析によるものとして、今回で刊行25年を迎えた。2020年の動向をまとめた2021版で注目されるのは、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響だ。世界情勢への影響は、米中の対立から生じる分断の加速化だけでなく、多元化の現象が発生していることだとした。・・・

 

国内外で圧力強める中国、人民解放軍がコロナ対応も
ウイグルの人権問題指摘など対立強める米国

 

※図=東アジア戦略概観2021(提供:防衛研究所)