記事検索はこちらで→
2021.01.28

WING

ボーイング、777X初号機納入を2023年後半に後ろ倒し

787型機の月産5機化は今年3月に前倒しへ

 ボーイングは1月27日(米国シカゴ現地時間)、2020年通期決算および第4四半期決算(2020年9-12月)を発表した。このなかで開発中の777X初号機の顧客に対する引き渡し時期について、2023年後半とする方針を固めたことを明らかにした。これまで2022年としていた初号機引き渡し時期を大幅に後ろ倒しする。一方、787型機の生産レートは今年3月から月産5機化することを表明。従来は今年6月頃に月産5機化する見通しだったが、減産計画を前倒しするかたちだ。これにより、3月の段階で米国ワシントン州エバレット工場にある787型機の最終組立ラインは閉鎖されることになり、サウスカロライナ州のノースチャールストン工場へと早々と一本化することになってしまった。
 ボーイングの777Xおよび787プログラムでは、日本の航空機産業界はそれぞれ大きなワークシェアを有している。777Xプログラムにおける日本企業のワークシェアは21%で、例えば三菱重工業が後部胴体・尾胴・乗降扉を、川崎重工業は前部・中部・胴体および主脚格納部、貨物扉、圧力隔壁を担当。SUBARUが中央翼、中央翼・主脚格納部結合、主脚扉、翼胴フェアリング(前部)、日本飛行機はスタブビーム、そして新明和工業が翼胴フェアリング(中・後部)の製造を担っている。その他にも東レ、ジャムコ、ナブテスコ、多摩川精機、KYB、パナソニック・アビオニクスといった企業がサプライヤーとなっている。
 一方、787型機は35%ものワークシェアを有しており、Tier1パートナー・サプライヤーとして、三菱重工業は主翼ボックスを、川崎重工業は前胴部位・中胴下部構造・主翼固定後縁、SUBARUが中央翼及び中央翼・主脚脚室統合、新明和工業が主翼前後桁の製造を担当している。さらには東レ、島津製作所、ジャムコ、多摩川精機、KYB、日機装、住友精密工業、GSユアサ、関東航空計器、ナブテスコ、パナソニック・アビオニクス、ブリヂストンなどといった企業が参画している。・・・

 

2020年通期純損益は1.2兆円の巨額赤字に
新型コロナと787生産問題、737MAX影響

 

民間航空機部門、通期の営業損失138億ドル
777Xに65億ドルの追加費用

 

737MAX、運航停止解除後に40機以上納入
2022年初頭に月産31機化へ

 

防衛宇宙・安全保障部門、通期営業利益は15億ドル

 

※写真=777X初号機の納入が再び後ろ倒しに。2023年後半へとズレこむことになった

First 787 With Wheels Down in Charleston Final Assembly
K65536

※写真=787型機の最終組み立てラインは前倒しで今年3月にサウスカロライナ州チャールストン工場に集約することが決定した。ワシントン州エバレット工場のラインは3月に閉鎖される。写真はノースチャールストン工場の787ライン(提供:ボーイング)