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2020.11.24

WING

国内航空機生産額、8月も1000億円の大台割れ

前年比25%減、コロナ影響で民間向け生産低迷

 日本国内の8月の航空機生産額(機体・エンジン・その他機器合計、製造・修理合計)が、対前年比ベースで約25%減少した926億9900万円に落ち込んだことが明らかになった。ちなみに昨年8月の航空機生産額は1232億3000万円だった。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、民間航空機関連の製造が低迷していることが主因。8月の生産額は7月に続き2ヵ月連続で1000億円の大台割れとなっており、今年度4月~8月までの4ヵ月間ですでに6月以外の月で1000億円を大きく下回る生産額となるなど、大きな影響を受けている様相だ。
 国内航空機生産額は今年3月の段階で2248億円あったものの4月に急速に縮小。4月の生産額は723億円(前年同月:1364億円)と1000億円割れにまで急落。さらに追い打ちをかけるように今年5月には約600億円にまで萎んだものの、翌月の6月には生産調整もあって1177億3400万円まで回復。ところが7月には再び808億円と、大きく1000億円を割り込んでおり、8月の生産額も900億円台ながらも1000億円には届かなかった。
 長引く新型コロナ危機に、航空会社各社は焦りを隠せない。まずもってこの冬を乗り切ることができるのかということが焦点の一つで、イールドの高い国際線の運航再開が鍵を握る。欧米では新型コロナワクチンの開発が急ピッチで進むなど、航空業界にとって光が差してきたところではあるが、社会的な普及までにはまだまだ時間を要することになりそうだ。・・・

 

機体・エンジン製造、前年比27%減
防衛向け9%増も民間向け33%減

 

防衛・民間ともに機体・エンジン修理は増加

 

※グラフ=8月の国内航空機生産額(製造・修理合計)は前年比25%減少した926億円に。7月に続き1000億円割れの状態が続き、新型コロナの影響で国内の航空機産業も大打撃を受けている(グラフ単位は百万円)

※写真=航空会社の財政状態が厳しく、欧米大手機体メーカーの機体納入や製造は低調。日本の航空機産業も打撃を受けている(提供:ボーイング)

※写真=737MAXの飛行禁止命令が解除されたことで国内の一部サプライヤーもようやく胸を撫で下ろすことができそう。ただ737MAXの日本のワークシェアは小さい