記事検索はこちらで→
2020.10.30

WING

成田空港の入国検査体制、1日1万人受入れ目指す

閉鎖区域で待機場所確保、限られたリソースフル活用

 成田国際空港会社(NAA)上席執行役員の宮本秀晴氏はこのほどWINGのインタビューに応じ、入国者数を今後1日2万人まで拡充する政府方針に対応するため、成田で1日8000人から1万人まで受け入れられる体制を整えていく考えを明かした。「国が目指す規模の旅客を受け入れられるように対応していくことが使命だ」と応え、公共交通の足を止めず、ニューノーマルへの対応を急ぐ考えを示した。
 宮本氏はコロナ禍の発生から約10ヵ月、直近では「徐々に渡航者が増えてきているようだ」と話す。成田では2月以降、各国の渡航制限やロックダウンによって国際線旅客数が激減。ゼロに近い状況となった。それでも、様々な理由で入国するわずかな旅客に対して検査を行って、渡航者を受け入れてきた。最初のころは1日に500人から600人といったところ。PCR検査で陰性を確認しながらの受け入れは、これが限界だったという。一時は、バスを使って入国者をホテルなどへ移動させ、検査結果を待っていた。宮本氏は「あれは多くの関係者にとってかなりハードワークだった」と、当時を振り返った。
 それが今では体制が拡充し、1日に1000人から1500人の受け入れが可能となった。検査後、2時間から3時間で通過できるようになり、今後は全国1日1万人の受け入れに対し、成田だけで4000人から5000人まで処理できるよう、準備を整えているのだという。しかし検疫の現場では、急速な人数増加に対応しきれない。それは今後「徐々に増えていく中で、体制の拡充に努めている」とのこと。検査器は導入が進んでいて、今のところ9台導入したが、今後さらに増設を予定する。さらに人的リソースの拡充も図るとし、航空会社からの応援を受けながら効率化を進め、そこで1日5000人まで受け入れられるようにするという。・・・

 

国際線旅客がほぼゼロに
構内売上激減、10店舗撤退

 

陰性証明の共通化に期待
苦しい中でも設備投資必要

 

検査対象者にメリハリ、規制緩和を要求

 

慎重な対応見直し、社会環境と合理的根拠で判断

 

※写真1=NAA上席執行役員経営企画部門の宮本秀晴副部門長

※写真2=運休・減便によって閑散としたターミナル内。いつか需要が戻るときまで万全の体制を整える。清潔であることはもちろん、人が触れやすいところへ消毒液を配置するなど、来場者への安心感を重視する

※写真3=国内線中心の第3ターミナルは、賑わいが少しずつ戻ってきている