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2020.05.25

WING

陸上自衛隊、富士総合火力演習を縮小開催

Youtube公式チャンネルで累計約17万人がライブ視聴

 防衛省・陸上自衛隊は5月23日、静岡県・東富士演習場で「令和2(2020)年度富士総合火力演習(総火演)」の教育演習を実施した。総火演は毎年8月に行っている陸上自衛隊最大級の実弾使用訓練で、毎年2万人以上の一般観覧客が観覧する一大イベントになっており、今年で62回目となる。
 2020年は東京オリンピック・パラリンピックを8月に開催する予定だったため、5月に前倒し開催するはずだったが、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の観点から公開演習は中止。21日の予行演習と本来の目的である陸自学生を対象とした教育演習のみ、規模を縮小して実施するかたちとなった。その分、陸上自衛隊では空撮用ドローンや射弾下掩蔽部からの映像伝送、ウェアラブルカメラなどの各種機材を最大限活用して、重要場面などを効果的に撮影・放映することで教育効果を増進する工夫を行っている。こうした努力もあってか、陸上幕僚監部広報室は「今年はYoutubeとニコニコ動画の陸自公式チャンネルでのライブ配信視聴が大幅に増えた」と語り、「陸幕で把握しているYoutube公式チャンネルでは、ライブ配信中だけで累計約17万人が視聴した」と述べている。

 

戦車等約30両、火砲約40門、約1800名が参加
当初は現有火力を結集し、火力制圧を展示予定

 

・・・ 陸上幕僚監部が事前に実施した記者説明会では、新型コロナウイルス感染症の流行がなかった場合の総火演の内容について、担当者は「今回は陸上自衛隊の現有する火砲による圧倒的な火力を展示しようと考えていた」と述べ、74式戦車や203ミリ自走榴弾砲、そしてFH-70といった古い火力から、19式装輪自走りゅう弾砲といった最新の火力まで、全国部隊から多くの火力を結集して火力で制圧するといった内容を予定していたと説明。「非常に迫力あるものが出来る予定だった」と語っている。また、航空機が不参加だった理由については、「(準備段階で)航空機は新型コロナの影響が低いので参加するという話しもあったが、整備部隊など地上要員も必要なため、参加を見送った」と述べている。・・・

 

※写真=陸上自衛隊は23日、富士総合火力演習を縮小開催した。Youtube公式チャンネルで累計約17万人がライブ視聴したとのこと(提供:代表社アルゴノート撮影)

※写真=コロナが無かった場合、203ミリ自走榴弾砲や74式戦車なども含む、陸自現有火力を結集した火力制圧様相を展示する予定だったという(提供:代表社アルゴノート撮影)

※写真=最新火力となる19式装輪自走りゅう弾砲。当初は射撃を予定していたものの、今年は射撃しなかった(提供:代表社アルゴノート撮影)

※写真=学生が座る観客席はじめ、仮設トイレもソーシャルディスタンスを確保して実施した(提供:代表社アルゴノート撮影)