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2018.06.22

WING

JAL、8−9月発券分から燃油サーチャージ引き上げ

原油価格上昇でジワリ、夏期需要への影響懸念

 日本航空(JAL)は6月21日、8月から9月発券分に適用する燃油サーチャージを、現行の6-7月発券分よりも引き上げることを発表した。例えば、韓国は現行の片道500円から1000円に、中国本土・台湾は2500円から3500円に、北米・欧州・中東・オセアニアといった長距離線は1万500円から1万4000円へと、それぞれ引き上げる。8月から9月発券分ということもあって、夏の繁忙期における海外渡航需要に影響が出ることも懸念されそうだ。
 旺盛な航空需要に沸く航空業界だが、一方で懸念材料として鎌首をもたげてきたのが原油価格の上昇だ。原油価格の上昇に伴ってジェット燃料の価格も上昇傾向。運航コストの35%程度を占めると言われる燃料価格が昨年来、ジワジワと上昇し、エアラインの経営にも影響を及ぼしつつある。IATAは今年6月の総会で、燃料価格の上昇などを見越して、2018年のエアラインの純利益見通しを338億ドルになるとの見通しを示した。これは昨年12月の発表から46億ドル下方修正したかたちだ。
 JALでは2ヵ月毎にサーチャージ額を見直ししている。今回の燃油サーチャージ改定は、直近二ヶ月の燃油市況平均が、1バレル当たり87.70米ドルで、為替平均は1米ドル108.59円を乗じたシンガポールケロシン市況の円貨換算額が9523円となり、これをJALが公表している燃油サーチャージ条件表に照らしあわせた結果と説明している。

(8月1日〜9月30日発券分)
▼韓国・極東ロシア=1000円(6-7月発券分:500円)
▼中国本土・台湾・香港=3500円(6-7月発券分:2500円)
▼グアム・フィリピン・パラオ・ベトナム・ロシア(イルクーツク)=4000円(6-7月発券分:3000円)
▼タイ・シンガポール・マレーシア・ロシア(ノヴォシビルスク)=6500円(6-7月発券分:4500円)
▼インドネシア・インド・スリランカ・ハワイ=8500円(6-7月発券分:6000円)
▼北米・欧州・中東・オセアニア=1万4000円(6-7月発券分:1万500円)

 ■貨物サーチャージも7月から引き上げ

 またJALは、7月1日から適用する日本発国際貨物燃油サーチャージを引き上げることも発表した。
 基準となる今年5月のジェット燃料の平均価格が1バレル当たり90.43米ドルであったことから、燃油指標価格を「90.00以上95.00未満」とし、サーチャージ額は1kgあたり42円(米州・欧州など遠距離路線)、21円(アジア遠距離路線)、21円(アジア近距離路線)とする。
 なお、貨物の燃油サーチャージは、毎月見直しが図られている。

▼遠距離線(米州・欧州地区〔アフリカ、中近東含む〕)=42円(現行:36円)
▼アジア遠距離線=21円(現行:18円)
▼香港、中国、フィリピン、台湾、韓国、グアム=21円(現行:18円)