記事検索はこちらで→
2019.10.01

ウイングトラベル

8月の空港別外国人入国者数、九州エリア厳しく

福岡や新千歳は2割減、大分や宮崎は3分の1に

 8月の訪日外客数は前年同月比2.2%減の252万100人と11ヶ月ぶりにマイナスに転じたが、8月の空港別出入国者数の速報値がこのほど発表され、韓国との交流が多い九州エリアを中心にマイナス幅が大きい状況が浮き彫りとなった。九州では減便の影響もあり、日本人出国者数もマイナスとなった空港も多く、日韓関係の早期正常化がインバウンド、アウトバウンドともに重要なことが数値的にも裏付けられた結果となった。
 法務省が公表した港別の8月の出入国者数(速報値)のうち、外国人入国者数、日本人出国者数が一定数以上の空港のみを抽出し、対前年同月比の増減率を編集部が算出した。
 それによると、外国人入国者数(注:訪日外客数とは統計基準が異なる)を空港別にみると、月間10万人以上が訪れる基幹空港のうち、8月がマイナスとなったのは、新千歳空港(20.8%減・12万9238人)、福岡空港(22.4%減・14万627人)、那覇空港(10.8%減・14万4760人)の3空港だった。
 とくに九州エリアでは、福岡空港の22.4%減以上に落ち込んだ空港が多く、なかでも大分空港は64.8%減の1359人と、前年同月の約3分の1に減少。宮崎空港も64.1%減の1562人と、約3分の1に減少した。また、北九州空港は32.0%減の6978人、佐賀空港は36.3%減の5194人と、いずれも大幅な減少となった。

 

 成田や関空などは増加も、9月以降の動向注視

 

■8月の日本人出国者数、九州5空港でマイナス
 西日本中心に一部減も、全国的にはプラス基調

 一方、8月の日本人出国者数は夏休みの効果もあって、前年同月比3.7%増の210万9566人と17ヶ月連続のプラス成長を維持したが、こちらも空港別にみると、九州エリアでマイナスに転じた空港が多く、日韓航空路線の見直しによる影響が出ている。
 福岡空港については1.7%増の10万7054人と微増を維持したほか、北九州空港は46.5%増の5001人、鹿児島空港は28.9%増の3746人と、プラスを維持した。その一方で、これら3空港以外はいずれも減少した。

 

※表=8月の主な空港別の外国人入国者数と日本人出国者数(前年同月比は編集部算出)