記事検索はこちらで→
2019.09.09

WING

6空団門間司令、日本海側で一層厳しさを増す航空の脅威

近隣諸国の最新戦闘機も飛来、「緊張感持って任務」

 航空自衛隊小松基地は日本海側唯一の戦闘機部隊の基地であると同時に、本州で唯一F-15が配備されている。日本海側の防空のみならず、首都圏、中京圏、関西圏も含めた防空の要として、基地の重要性は増している。その中で、近隣諸国は装備の近代化・充実化が進められ、日本周辺での活動をより活発化させている。安全保障環境は一層厳しさを増している現状だ。そんな日本海側の守り手として重要な小松基地で、第6航空団司令兼小松基地司令の門間政仁空将補に基地の状況を聞いた。
 第6航空団司令兼小松基地司令の門間政仁空将補は、近年のスクランブル増加に伴い、第6航空団では従前からロシアの戦闘機が近傍へ飛来することはあったが、加えて中国機も飛来するようになったため、隊員たちが「これまで以上に緊張感を持って任務に就いている」として、周辺国に対する安全保障環境の厳しさが増している状況について説明した。
 近年のスクランブルの増加は、中国による海洋進出が主な理由となっていて、さらには対馬海峡を越えて日本海へ飛来するというこれまでにない動きを見せるようになった。これに、第6航空団として「新たな国が対領空侵犯措置、警戒監視の対象になったという観点で、大きな変化」との見方を示した。
 また第6航空団としてスクランブルの主な対象となっているロシアについては、引き続き活発な航空活動を見せる。さらに最新の多用途戦闘機Su-35による日本近傍の飛行が新たに確認されていて、最近の状況から「装備品の近代化が進んでいると推察」できる。
 門間司令は、ロシアのSu-35はかなりの高性能機であり、それが事実であれば「私たちは一層身を引き締めてかからなければならない」と話した。しかしながら、そういった他国の戦闘機と直ちに戦うわけではない。そのため、状況において間違いが起こらないよう「しっかりと領土領空を守っていく。国際法規などに則って、毅然と対応していくことが重要」であり、それが新型機を見せるロシアに対してであれば、尚更に重要となる。
 門間司令自身、ロシアに対する緊張感は特段高まっている感触はない。しかし過去2014年に起きたロシアによるクリミア半島の併合を例に「2014年ロシアの航空活動が非常に活発化した」ため、ロシアでは「さらに航空活動を活発化させる必要があったのだろう」と分析。近隣国の各種活動に「備えを万全にしているところ」だと話した。

 

2個飛行隊の訓練平準化重要
訓練最大の敵は天候不順

 

団の指針は精強・伝統・団結
最新戦闘機使いこなすプライド

 

官民空港で民航機定時性を堅守
除雪などで地元の信頼獲得

 

着実に女性活躍を推進
古い施設などがネックに

 

※写真1=門間政仁空将補

※写真2=小松基地の正門

※写真3=小松救難隊のUH-60

※写真4=第306飛行隊30周年の記念碑

※写真5=パイロットの訓練に悪天候は天敵

※写真6=小松基地は民間の小松空港と共用の滑走路