記事検索はこちらで→
2019.04.25

WING

PDエアロ、米コロラド宇宙港で試験飛行検討

運航候補地にも、コロラド・エア&スペースポート合意

 国産産の宇宙旅行用再使用型サブオービタル宇宙機開発を目指すPDエアロスペースが、米国コロラド州にあるコロラド・エア&スペースポートとの間で、予備的合意(LOI)を締結した。PDエアロスペースによれば、同社が開発するサブオービタル宇宙機の試験飛行の実施場所としてのほか、運航地の一つとして活用することを検討していく。
 コロラド・エア&スペースポートはデンバー都市部から10km、車で30分ほどにある。旧フロントレンジ空港にあって、昨年8月17日に米連邦航空局(FAA)によって宇宙港としての認可を受けたばかり。
 この宇宙港には2400メートルの滑走路が2本備わっており、その他にも研究開発、試験および評価、製造に関する環境・設備やクルー訓練、二地点間飛行(極超音速飛行)、宇宙旅行発着拠点など、幅広い活動と商業的機会を計画しているという。
 また、コロラド州には、商業用、民間用、および軍用の宇宙関連の様々なリソースが集中しており、約500社、5万人を超える宇宙関連企業やサプライヤーが宇宙関連製品やサービスを提供するなど、宇宙関連産業が活発だ。
 PDエアロスペースによれば、今回の合意によってコロラド・エア&スペースポートにおける将来的な利用を見据えて、両者協力の意思を示したものであり、今後、より深い関係を築くための基礎となるものとの見方を示した。
 PDエアロスペースは今秋にも無人飛行実験機を高度100kmまで打ち上げる計画にあるなど、サブオービタルの弾道飛行による宇宙機開発に取り組んでいるところだ。昨年12月には、ANAホールディングス、エイチ・アイ・エスからの追加増資に加えて、新たにハウステンボス、みずほ成長支援第2号投資事業有限責任組合(運営:みずほキャピタル)、オプティマ・ベンチャーズからの資金調達に成功した。これら計5社を引受先とする第三者割当増資により、シリーズA資金調達ラウンドにおいて、総額5.2億円の資金調達に成功。前述した無人宇宙機を高度100キロメートルに到達させ、再び地上に着陸させるための新型エンジンおよび機体開発に本格着手することにしていた。

 

※画像=PDエアロスペースが米国の宇宙港とその利活用で合意。試験飛行や運航候補地として利用を検討する。国産再使用型宇宙機の開発が前進することになりそうだ(提供:PDエアロスペース)

※画像=コロラド宇宙港の全景(提供:コロラド・エア&スペースポート)