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2019.04.09

WING

IHI、不適切検査問題が部品製造にも波及

エンジン性能・機能・強度など問題なし

 IHIは4月8日、新たに航空機エンジン部品製造においても、不適切な検査が行われていたことが明らかになったことを発表した。これまで民間航空機のエンジン整備事業において、無資格の検査員が押印するなど、複数の不適切な検査が行われていたことが明らかになっていたが、全社において品質に関する総点検を行ったところ、エンジン部品製造でも不適切な検査が行われていたことが発覚した。不適切な検査が行われていたエンジン部品の性能について同社は、「図面で指定された寸法・強度・機能・性能を全て満たしている」との見解を示した。IHIでは各エンジンのOEMに対しても報告済みであるとして、技術的に問題がないことも確認した。

 

民間機のみならず防衛エンジンでも不適切検査
不適切検査の8割超が相馬工場で発覚

 

 IHIによると、エンジン部品を製造している相馬工場(相馬第一・第二)、呉第二工場、瑞穂工場の各工場における調査の結果、総作業件数約180万件のうち、7138件において不適切な検査が行われていたことが判明。具体的には訓練生による検査や検査記録への入力・押印が行われていたことのほか、検査員が他の検査員に代わって検査記録にへの入力や押印を行っていた。
 不適切な検査が行われていた部品が使われているエンジンはPW1100G-JMやGEnX、GE90、さらにはV2500およびCF34など民間航空機搭載用のエンジンが中心。加えて、7138件のうち、約2割ほどは防衛省向けエンジン関係であるとしており、民間航空機用エンジンのみならず、防衛関係のエンジンでも不適切な検査が行われていた様相だ。ちなみにエンジン整備事業の不適切検査事象は、民間航空機用エンジンのみだった。

 

検査員足りず垂直立ち上げなど要因に

 

一時資格停止で教育も減産計画なし
再発防止へ検査員増員も

 

※写真=IHIの不適切問題が部品製造へと拡大。総計7138件の不適切検査が明らかになった