記事検索はこちらで→
2022.01.13

ベトナム02

日本語に似たベトナム語がある

外国語を学ぶのは難しいものですが、日本語とベトナム語に意外な共通点があります。両国とも、文化的・歴史的に中国の影響を大きく受けており、日本語と同様にベトナムも、その単語の67割が中国語の漢字に由来していると言われています。

 文字で見ると、「ありがとう」の「カムオンの由来は「感恩」。漢字を当てはめると類推しやすくなります。

 また、ベトナム語の発音は、日本人にとっては難しいと言われていますが、似ている単語も多く、たとえば「注意」はベトナム語で「チューイー」、「同意」は「ドンイー」、感動は「カムドン」、記念は「キーニエム」といい、その例は枚挙にいとまがありません。

 言語形成の歴史が日本語とベトナム語の共通点を生んでいることは驚きとともに「なぜ?」を生徒に感じさせます。親近感をもつことは語学学習の入り口としても役立ちます。形成の経緯を知ることで生徒がベトナム、さらにはベトナム語に関心をもって学ぶことができます。

 

【大阪府立寝屋川高等学校(修学旅行)】

本校がベトナムを海外修学旅行の行き先として決めた理由は、日本では経験できない多様性に触れ、成長途上のベトナム経済に触れることで「グローバル」を意識するきっかけとし、また戦争の爪痕を学ぶことで「平和」について学習する機会があると考えたからです。さらに、治安・安全面からも適切であることが決定の要因になりました。 

 ベトナム修学旅行を実りあるものとするために事前学習として次の3点を実施しました。①ベトナムの地理・歴史・生活・経済について概要を学習。②平和学習としてベトナム戦争について学習。③現地校との交流に向けて、初歩的な会話レベルのベトナム語講座を実施。

 特に②については、戦争の悲惨さを理解するよい機会となり、博物館における生徒の積極的な見学の姿勢がその成果として見られした。経済に触れる点に関しては、日本でも一定程度馴染みのある現地の企業を訪問し、生の声を聴くことで世界とのつながりを実感できました。

 また、本校は4年前にベトナム修学旅行を実施して以来、現地の高校との交流を継続していますが、その体験は、日本の伝統文化を伝えることで日本を外側から客観的に見る態度の育成の一助となっています。

 帰国後の生徒からは、「ベトナムの高校生は積極的で大きな夢を持っている」「海外で働く選択肢もありと認識」「世界観が変わった」など前向きな感想が多く聞かれました。

【奈良学園中学校・高等学校(SSH海外研修)】

  本校は、2012(平成24)年に文部科学省より第1期の指定を受けたスーパーサイエンスハイスクール(SSH)の取組の一つとして、ベトナム社会主義共和国での海外研修を実施しています。

 この研修では両国初の高大連携事業として始まったハノイ工科大学とのサイエンス交流や、グエンシュ高等学校との生徒間交流を通して、英語を母国語としない者同士で英語を介した交流を行い、コミュニケーションツールとしての英語の重要性を認識することを目的の一つとしています。

 また、環境保全実習としてホン川(紅河)マングローブ林の調査、地域空間論に基づく農村地域等のフィールドワーク、東南アジアで活躍する日系企業を訪ねての海外キャリア研修、最先端の保存修復科学技術や文化交流の歴史について学ぶ史跡見学など、本校SSHの取組の課題としても挙げている「持続可能な社会を構築できる人材の育成」を達成するための研修として、内容は多岐にわたっています。

 海外研修に先立ち、それぞれの研修内容に関する事前研修を7回実施し、研修後も学内報告会での発表を含めた事後指導を行っています。自然と共存した循環型の持続可能な生活を送っている人々と実地で交流することで、気候や風土、文化の違いが生活に大きな影響を及ぼしていることに気づき、生徒たちは、異なる価値観をもつ人と積極的に関わり、共生・協働する心を養うことができました。

→次のページへ(日本アセアンセンター)

←前のページへ(ベトナム01)