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2025.10.03

WING

森田空幕長、墜落したT-4の全回収作業を終了

 全力挙げて原因究明へ、地元からの協力に感謝

 森田雄博航空幕僚長は10月2日の定例会見で、愛知県犬山市の入鹿池へ墜落した空自T-4練習機の捜索・回収活動を9月28日にすべて終了したことを発表した。水中が視界不良などで回収作業は困難を極めたが、これまで機体や部品など「回収可能な機体や部品をすべて回収できた」と説明。事故原因はまだ明らかになっていないが、回収した機体の調査も含め、空自として「全力を挙げて事故原因の究明に当たる」と述べた。
 T-4が入鹿池へ墜落したのは今年5月14日で、これまで約4ヵ月にわたってダイバーによる機体および部品の捜索と、併せて台船へ設置したクレーンによる大型部品の回収などを行ってきた。入鹿池は農業用のため池で、事故による農作物への影響を最小限に抑えるため、部品から漏れ出す可能性のある油の拡散防止に努めた。さらに、これまで継続して水質調査や、池の底質調査のほか、レジャーとして釣りの対象となるワカサギなどの生態調査を行っており、いずれも異常のなかったことを確認したという。森田空幕長は、地元住民や自治体など関係各所に対して不安を与えてしまったことを陳謝するとともに、作業に対し「協力していただいたことを感謝する」と、謝意を述べた。