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2018.12.13

WING

空港の災害対策、空港機能毎の対応計画など緊急課題も

中間とりまとめ公表、「全国で等しく情報共有」を

 国土交通省は12月12日、全国主要空港における大規模自然災害対策に関する検討委員会の中間とりまとめを公表した。この中間とりまとめのなかで、緊急に着手すべき課題として、空港全体の維持・復旧を目的とした事業継続計画(BCP)の再構築をすべきとして、空港運営主体の統括マネジメントの確保、電源やお客様対応などといった空港の機能毎の対応計画を策定することを掲げた。航空局によると、「従来は地震や津波など災害毎に対策をまとめていたが、機能ごとの対応計画を策定すれば、それを組み合わせることによって、様々な災害に対応することができるのではないか」との見方を示した。加えて、電源施設などの水密性確保や移設、護岸の嵩上げ、ポンプなどの排水施設の整備、滑走路の液状化対策なども緊急課題に対処すべき課題として挙げた。
 また、大規模自然災害対策の方向性として”災害への備え”と”災害時の対応”に分けてまとめており、このうち”災害への備え”では、計画(避難・復旧)の策定と見直し、平時から連携協定の締結といった国などの関係機関と民間の連携強化、必要な施設整備と人材確保と言った項目を挙げている。
 一方、”災害時の対応”としては、空港ではそもそも日本に不慣れな外国人旅客が多数存在するほか、身体障がい者や高齢者など様々な人々が集まっていることを踏まえ、信頼性の高い情報を適確に発信する高い現場力の醸成を目指す。さらに、統括マネジメント体制を構築することも求めていく。
 航空局は中間とりまとめについて、「こうした災害はいつ発生するか分からない。なるべく早く全国の空港関係者と等しく情報共有していきたい」とし、「中間とりまとめ公表後、できればすぐにでも空港関係者が一堂に会した情報共有の場を設けたい」としている。その上で、「これから空港関係者に展開していき、ともに大規模自然災害に強い空港づくりをしていきたい」との認識を示した。今後、委員会における検討を深めて、最終とりまとめを行う方針だ。

 

多発・激甚化する大規模自然災害
今後の対策の基本的なあり方とは?