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2018.12.11

WING

関西エアポート中間期、当期純利益23%減の114億円

台風で増収確保も減益、台風影響の減収・損失額99億円に

 関西エアポートが12月10日に発表した2018年度中間決算によれば、旺盛な航空旅客数に加えて、今年4月から神戸空港運営をスタートしたことなどが寄与して、営業収益は対前年同期比6%増加した1049億1900万円と増収となった。しかしながら、高潮被害をもたらした台風21号などの影響で各利益は減益に。営業利益は2%減少した266億1400万円、経常利益が3%減少した208億9500万円、そして当期純利益は23%減少した114億4200万円に留まった。
 関西エアポートによれば、8月までは関西空港の国際線を中心に旅客数が好調で、とりわけ非航空系収入は旅客数の伸び率を上回るほど好調だった。しかし、9月4日に関西空港を直撃した台風21号の影響を受けた9月は、旅客数、営業収益がほぼ半減してしまったという。関西エアポートは台風による減収・損失額については、台風による損失額全てを含むものではないとしながらも、99億円に達したことを明らかにした。

 

営業収益、台風で航空系-36億円
非航空系も-46億円など大きな影響

 

 関西エアポートは、台風による営業収益に対する影響は、航空系が36億円、非航空系で46億円に達したと分析。4-8月が好調だったことから営業収益は前年同期比6%増加したものの、台風の影響で82億円もの影響が発生したことになる。一方、営業費用(減価償却費除く)は11%増加した586億円となった。
 関西エアポートによれば、台風21号の影響で、関西空港が一部閉鎖期間があったものの、主にハワイ、韓国、東南アジア方面の国際線旅客が増加したとのこと。さらに、上期の航空機発着回数は、過去最高の前年度に次ぐ結果となった。
 伊丹空港についても、主に機材点検のための欠航が発生したことで発着回数は前年をわずかながら下回ったものの、4月から運営をスタートした神戸空港が好調に推移するなど、3空港合計発着回数は17万4000回に達した。
 そうしたなか、旅客数ベースでみてみると、関西空港は台風の影響がありながらも国際線旅客数が過去最高を更新。しかしながら国内線を含めた総旅客数は前年同期を下回る実績となった。
 さらに、機材が大型化した伊丹空港、7月に仙台線が開設した神戸空港は、それぞれ過去最高の旅客数を記録することに成功した。こうした結果、3空港合計の旅客数は、2372万人に達したという。

 

※写真=台風21号で甚大な影響を受けた関西空港。関西エアポートによれば10月以降、旅客数は前年を上回るペースとなっている