ANA中間決算、燃油と自然災害で増収減益

売上高1兆円突破も営業益9％減･中間益38％減

　ANAホールディングスが11月2日に発表した2018年度中間期（4‐9月）連結決算によると、　売上高は前年同期比5.4％増（530億円増）の1兆380億円と、中間決算で初めて1兆円の大台を突破したものの、燃油市況が高騰したことや台風、北海道地震、そして787搭載用エンジンTrent1000などの点検整備による欠航などの影響を受け、営業利益は8.6％減（98億円減）の1052億円、経常利益は8.7％減（98億円減）の1029億円と増収減益となり、中間利益はさらに37.7％減（446億円減）の737億円に留まった。ただ、中間利益の大幅減は、前年同期にはピーチ・アビエーションの連結子会社化に伴う338億円をはじめ439億円の特別利益が計上があったことによるもの。
　国土交通省で会見したANAホールディングス経理・財務室長の福澤一郎執行役員は、「台風や北海道地震といった自然災害やエンジン点検整備による欠航があった中、国内線旅客事業の減収を最小限に留め、国際線旅客事業、国際線貨物事業で、引き続き高い水準を維持したことから、連結売上高は前年同期に比べて5.4％増加した」と評価。
　一方で営業費用は「燃油市況が継続的に上昇しており、燃油費が257億円増加した」ことに言及しつつ、「中期経営戦略に基づき、安全と品質、サービスに係る投資を進めた結果、7.2％増加した9328億円となった」とした。その上で、「営業利益、経常利益ともに、前期に引き続き1000億円を超える水準を確保した」と、前期比ベースで減益も、高い水準で利益を確保したとしている。

　国際線旅客収入、前年比12％増の3310億円
　ビジネス・プレジャー堅調、単価も3.1％上昇
　国内線旅客収入、相次ぐ自然災害で0.8％減
　787エンジン点検整備による計画欠航も影響
　LCC事業、前期比9.5％増収の483億円
　ピーチ・バニラそれぞれ増収確保
　旅行事業、営業利益69.5％減の6憶円
　ハワイ好調もその他海外や国内伸びず

※写真＝決算会見したANAホールディングス経理・財務室長の福澤一郎執行役員