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2018.10.10

WING

NAA松本大樹取締役、40周年迎えた成田空港

地域と発展、30年インバウンド6000万人時代に対応

 NAAの松本大樹取締役は、成田空港が昨年で旅客数が累計10億人に達成し、貨物も累計6000万トンに到達した中で、今年で開港40周年を迎えたことに「日本の表玄関に相応しい空港として成長してきた」と振り返るも「あくまでもこれは通過点」だと述べて、国が目標とする2020年のインバウンド年間4000万人、2030年の6000万人を迎えるため、さらなる空港の成長へ精力的に取り組む方針を示した。
 成田空港は、1978年5月20日に開港した。もとは同年3月の開港を予定していたが、開港直前の過激派による管制塔襲撃で、開港日を延期せざるを得なかった。空港の建設計画時点から続く成田闘争の経緯の中、影の部分を引きずりながら、ようやく開港に漕ぎ着けたという状況だ。開港当時は、A滑走路1本、第1ターミナルのみで、発着回数が年間6万回、旅客数が900万人だった。現在では、発着25万回、旅客4000万人まで拡大していることから、松本取締役は「40年の間、周辺では成田空港を支えていただきながら、育てていただいた」と述べ、地域に支えられてきたことに謝意を示した。
 節目を迎えた成田空港だが、国が方針として示したインバウンド目標を達成するため、「今後も成長を続けなくてはいけない」という。そのためNAAでは現在、オリ・パラ対応施策や、ターミナルリニューアルなどを行っているところ。特に2020年までには、高速離脱誘導路の整備などによって、発着数を4万回増の34万回の発着数にしなくてはいけない。同整備によって1機が占める滑走路占有時間を短縮し、1時間当たりの発着数(時間値)を現在の68回から72回へ上げる。さらには、その先の3本目滑走路整備を含む“さらなる機能強化”を計画する。それを成し遂げて、2030年のインバウンド6000万人時代に対応できる能力を持つことが命題とされる。
 それだけ巨大な空港へ成長していくということは、日本経済の成長のためにも不可欠なこと。松本取締役は、地域経済とコミュニティを支えて成長させていくためにも「NAAでは不退転の努力を行っていかなくてはならない」と、さらなる成長へ意気込む。

 

※写真=NAAの松本大樹取締役

※写真=2020年のオリ・パラ開催では、多くの外国人が空港を利用する。成田空港ではおもてなしの精神で快適なターミナルを演出する(提供:NAA)

※写真=A滑走路では、2020年までに夜間飛行制限を緩和。そのため、周辺住宅では内窓の設置や、助成の柔軟化を図って、さらなる機能強化に取り組む(提供:NAA)