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2018.08.22

ウイングトラベル

ANA下期事業計画、Trent問題で生産量抑制へ

国際線4%減、中部−上海運休、成田−LA減便

 全日空(ANA)グループは8月21日、2018年度下期の航空輸送事業計画の一部を変更した。787のTrent1000エンジントラブルの影響を受けて、下期の座席キロを対年度計画比国際線で4%減少する一方、国内線は1%増加に留めるなど、下期の生産量の拡大を抑える。ただ、一方で対前年同期比では国際線は前年並みをキープするものの、国内線2%増加する見通しだ。
 7月の問題発覚以降、Trent1000エンジンの点検および部品交換などの作業が発生していることから、夏ダイヤでは計画欠航が相次いで発生。7月6日から10月27日の夏ダイヤまでに発生する計画欠航便数は、国内線・国際線をあわせて累計で1802便、19万800人もの旅客に影響を与える見通しとなった。しかしながら、冬ダイヤではあらかじめ生産量を抑えることで、欠航便が発生しないようにする。
 下期計画のうち国際線では、現行デイリー運航中の中部−上海浦東線と関西−香港線を運休する。さらに成田−ロサンゼルス線と成田−成都線をそれぞれ減便。成田−ロサンゼルス線については現行のダブルデイリーをデイリーへ、成田−成都線は現行のデイリーを週4往復便へと減便する。ただ、ANAによれば、来年2月から一部の国際線については順次復便していくとしており、関西−香港線については、2月24日以降に737-700型機で運航することを計画している。
 また現在導入を進めているA320neoについては、成田−北京、関西−北京、関西−上海浦東といった高需要路線に投入していく。
 ちなみにANAでは2019年春から、本邦キャリアとして初導入となるエアバスのA380をハワイ線に投入する。さらに、787ファミリーでもっとも長い胴体を有する787-10型機を新たに受領する予定にあるほか、全席にシートモニターを装着したA321neo型機の導入をさらに進め、2018年度末までに11機体制とすることを計画中だ。