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2020.12.15

WING

米空軍、「gatewayONE」双方向通信試験に成功

XQ-58AはF-35等と協調飛行成功も、通信試験失敗

 米空軍は12月14日(米ワシントン現地時間)、去る12月9日、F-22およびF-35戦闘機などの第5世代機間における飛行間の双方向データ通信試験に成功したと発表した。また、同日の試験には米海兵隊のF-35B、米空軍のF-22、F-35A、そして消耗可能無人航空機「AttritableONE」の一つであるXQ-58A「ヴァルキリー」が参加。XQ-58AはF-22およびF-35戦闘機と並んでの半自律飛行を実施し、これに成功した。しかし、XQ-58Aに「gatewayONE」を搭載しての双方向通信試験に関しては、離陸直後に接続を失ってしまい失敗したとのこと。
 今回の試験に関して、米空軍は、「第5世代航空機が長年の通信問題を克服したことで、統合軍は軍事的IoTの実現に向け、更なる一歩を踏み出した」とコメントしている。
 現代航空戦においてはデータリンクが必須となっているが、第5世代機でもF-22のイントラフライトデータネットワークとF-35の先進多機能データリンクではデジタル言語に互換性が無い上、既存の戦術データ接続による司令部や管制センターとの相互通信は制限されており、一旦地上局などにデータを送信して通信する必要があった。この問題を解決するためにノースロップ・グラマンなどが開発しているのが「gatewayONE」で、機体に搭載した「gatewayONE」が第4世代機や第5世代機などのデジタルフォーマットを「翻訳」して、相互通信を可能とする。・・・

 

※写真=米空軍は第5世代機間の通信問題を解決する「gatewayONE」の試験に成功。また、「AttritableONE」のXQ-58A「ヴァルキリー」とF-22とF-35と並んでの半自律飛行にも成功した(提供:米空軍)

※写真=試験のため打上げられるXQ-58A「ヴァルキリー」(提供:米空軍)