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2020.10.23

WING

川崎重工、ロボで空港向けPCR検査システムサービス提供へ

40ftコンテナ規模に集約可能、検体受付から80分で結果通知

 川崎重工業は10月22日、同社のロボット技術を活かした移動式自動PCR検査システムによる検査サービスを開始することを発表した。サービスの導入は、年明けぐらいには各種調整が完了した空港に入れる方向で準備を進めていることを明かした。
 同社はロボットの販売というかたちではなく、あくまで同社が開発したロボットを活用した検査サービスとしてパッケージ化して提供する。川崎重工業が有する汎用ロボットを自動PCR検査システムに応用し、国内外空港における出国前PCR検査や大規模イベント前の検査需要の取り込みを狙う。世界的に多くの国で認められているRT-PCR方式の検査を用い、検体受付から検査結果通知まで80分以内に結果を通知することを目標とする方針だ。自由診療でPCR検査を受ける場合、各医療機関が値段を決定しており、医師などの感染リスクもあって現在のところ3万円~5万円の個人負担が発生するが、川崎重工業はロボットを投入することで人件費を抑えることにより、個人負担を約1万円とすることを想定している。

 

全社挙げて世界の社会課題解決に
人の往来再開で経済復興に寄与

 

人手を介さないPCR検査サービスの流れ
16時間で2000検体処理、ロボ増加で能力拡大

 

鼻咽頭検体採取ロボを開発中

 

※写真=川崎重工業が空港向けPCR検査システム・サービスを開発。写真はサーマルサイクラーに検体を収めるロボット


※写真=年明けにもサービスを開始することを目指す。写真は採取された検体容器を開栓・分注するロボット

※写真=40フィートコンテナに収まる規模の装置で1日2000検体を検査することが可能だ。写真は核酸を抽出するロボット

※写真=川崎重工業の社長直轄プロジェクト推進室の辻浩敏室長。カンパニーを越えて全社を挙げて開発に取り組んだ