記事検索はこちらで→
2018.07.09

WING

エアバス、最新航空機需要予測を発表

今後20年で3万7390機の新造機需要

 エアバスは去る7月6日(ロンドン時間)、最新の航空機市場予測「グローバル・マーケット・フォーカスト2018年-2037年」を発表した。それによると、今後20年間で航空輸送量は年間平均で4.4%の成長を続け、世界で運航される旅客機数が2倍以上に当たる4万8000機に増加すると予測した。この旺盛な需要に必要な新造旅客機および貨物機が3万7390機に達する予測だ。
 新造機需要の内訳を見ると、小型セグメントは現在単通路型機の多くが競合する市場で2万8550機の需要が予測されている。これは総需要の実に4分の3以上を占める。
 また、さらなる輸送能力と航続距の柔軟性が必要となる中型セグメントでは、小型のワイドボディ機と長距離飛行能力のある単通路型機が含まれ、5480機の新造航空機需要を見込んでいる。
 さらに、大きな輸送能力と柔軟な航続距離が必要な大型セグメントはA350を含み、1760機の需要を見込む。
 そして超大型セグメントでは、高い輸送能力を持ち、長距離運航を行うA350-1000やA380などの大型機を含み、今後20年で1590機の需要が予測した。
 ちなみに新造機需要3万7390機のうち2万6540機は輸送量の成長に対応するための、いわゆる成長需要で、残りの1万850機は燃費効率の高い航空機への入れ替えによる需要との見方を示した。
 エアバスによれば、航空輸送の成長を牽引する要因として、新興国において個人消費が2.4倍に増加することや可処分所得の増加、世界的に中間層が2倍近くなることなどを挙げている。経済成長の60%以上を新興国が占め、新興国での一人当たりの空の移動は2.5倍に増大する。航空会社のビジネスモデルの進化と継続的な自由化の促進、航空輸送の規模拡大によって、地域的な成長の停滞は大きく上向きに転じる見通し。
 エアバスのエリック・シュルツ最高営業責任者(CC0)は「セグメントの境界を越える性能を備えた航空機によって、より幅広い運航能力を持つ航空機を使用する傾向が高まっている」とコメント。「そのため私達はこれまでの考え方を再考し、小型、中型、大型、超大型で新たな類別を行い、航空会社が航空機を運用する方法をより綿密に反映させた」としている。さらに、「幅広いエアバス機の柔軟性によって、単通路型の最大機種であるA321neoは長距離路線を効率的に飛行し、ワイドボディ機A330neoと同様に地域路線に対応する。この中型セグメントにおいて私達は高い競争力を持つ」と付け加えた。
 なお、世界の航空機数が倍増して4万8000機となることから、54万人のパイロットが必要になる見通しにあるとのことだ。