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2020.07.09

ウイングトラベル

★観光産業は苦境も「観光への国民の期待高く」

 赤羽大臣、Go Toで国内旅行回復を強力に後押し

 赤羽一嘉国土交通大臣ら国交省幹部は7月8日、自民党の二階俊博幹事長・観光立国調査会最高顧問、公明党の太田昭宏観光立国推進本部顧問・元国土交通大臣らと相次いで会談し、来る7月12日に北海道白老町にオープンするアイヌ文化の発信拠点「ウポポイ」への誘客協力を申し入れた。観光産業を巡っては、新型コロナウイルスによる大打撃に豪雨災害が追い打ちをかけるなど非常に厳しい状況にあるが、赤羽大臣は本紙らの取材に対し、「観光は平和産業であり、災害の防災減災と、感染症の拡大防止は大前提。かねてより感染症の専門家のアドバイスを受けながらGo Toトラベル事業の執行時期を検討してきた。災害からの復旧復興は馬力をあげてやっていく」とした上で、「観光に対する国民の期待は、県民割りの好評をみても明らか。そうした国民の思いにしっかり答えていくのも国交省、観光庁の役割。安全安心を大前提としつつ、一生懸命やっていくことに尽きる」と述べ、Go Toトラベル事業により国内旅行の回復を強力に後押ししていく方針を示した。
 国土交通省では現在、政務三役が手分けして全国各地を視察し、観光関連事業者らと意見交換を行い、新型コロナウイルスで打撃を受けた地域経済の実情などを直接聞いている。赤羽大臣は去る6月23日から25日まで福岡、大分、長崎、佐賀の九州4県を視察したほか、7月3日から4日にはウポポイを含む北海道を視察した。
 九州についてはコロナの影響に豪雨災害も加わり相当な打撃を受けているが、「関係者の観光振興に対する思いは大変強く、Go Toトラベル事業についても相当関心は高い。豪雨災害もあるが、復旧復興を馬力をあげてやって、この夏にはしっかりと観光振興への取り組みを行っていきたい」との考えを示した。
 国の取り組みに先行して自治体独自の宿泊割引なども各地で行われているが、「自治体による取り組みを国のGo Toトラベル事業でシームレスにつないでいきたい」として、それによって国内旅行を本格的に回復させていきたい考えだ。
 インバウンドなどの国際交流の再開については、「もちろん、国内旅行もインバウンドも感染拡大防止が大前提。ただ、早く自然な形に戻したいとは思う」としつつも、「まずは国内旅行を一生懸命やっていきたい」として、国内旅行を安全安心な形で再開させていくことから始める考えを示した。

 

■アイヌ文化発信拠点「ウポポイ」7月12日開業
 赤羽大臣らが自民・公明訪問、誘客協力呼びかけ

 北海道白老町に7月12日に開業するアイヌ文化の発信拠点「ウポポイ」に関する自民・公明両党への誘客協力要請には、赤羽一嘉国土交通大臣をはじめ、門博文国土交通大臣政務官、水島徹治国交省北海道局長、高橋一郎観光庁次長が揃って出向いた。自民党では二階俊博幹事長・観光立国調査会最高顧問、林幹雄観光立国調査会会長と会談したほか、公明党では太田昭宏観光立国推進本部顧問・元国土交通大臣、岡本三成公明党国土交通部会長・観光立国推進本部事務局長、佐藤英道北海道開発振興委員会委員長・北海道本部代表代行と会談した。

 

 二階自民党幹事長、ウポポイ開業後の視察約束
 観光通じた経済活性化で「明るさ、景気底上げ」

 自民党本部での会談で赤羽大臣は、「ウポポイは当初4月末に開業予定だったが、コロナの関係で二度延期し、いよいよ7月12日に正式開業する。それに先立ち現地を視察に訪れ、ANTA(全国旅行業協会)、JATA(日本旅行業協会)をはじめ観光事業者ら41社と意見交換を行い、ANTAからも近藤副会長をはじめ23名に参加してもらい、商品造成していただけることになった。自民党、公明党の与党議員にもぜひ現地に足を運んでいただき、東京オリパラのレガシーに掲げる真の共生社会をめざす取り組みに参加してほしい」とウポポイ来訪を呼びかけた。

 

※写真=左から門博文国土交通大臣政務官、赤羽一嘉国土交通大臣、二階俊博自民党幹事長・観光立国調査会最高顧問、林幹雄観光立国調査会会長

 

※写真=自民党幹事長室での意見交換の様子

 

 公明党の太田元大臣、「長年の念願かなった」
 ウポポイは北海道の観光、文化の大きな柱に

 公明党との会談で赤羽大臣は、「太田大臣時代から手掛けていただいたアイヌ文化との共生は、昨年法律が制定され、ウポポイという象徴的な民族共生空間として、国の直轄事業としてやってきた。内覧してきたが大変素晴らしい施設。これまでややもするとアイヌ文化への偏見や誤解で差別を生んできた歴史があるが、東京オリパラのレガシーである真の共生社会を作るという意味でアイヌ文化の正しい理解を進めることは重要な意味がある。Go Toトラベル事業がこの夏から始まるが、それともうまく連携させることで一人でも多くの方に知ってもらいたい」として、北海道内や東日本を中心に教育旅行の誘致促進も図っていきたい考えを示した。

 

※写真=左から岡本三成公明党国土交通部会長・観光立国推進本部事務局長、佐藤英道北海道開発振興委員会委員長・北海道本部代表代行、太田昭宏観光立国推進本部顧問・元国土交通大臣、赤羽一嘉国土交通大臣、門博文国土交通大臣政務官

 

※写真=公明党との意見交換の様子