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2020.07.09

WING

ICAO、人身売買防止で客室乗務員オンライン訓練開発

人身売買に利用される民間航空、過去にCAが防止した事例も

 国際民間航空機関(ICAO)は7月8日(モントリオール現地時間)、人身売買の特定と対応に関する客室乗務員訓練向けの「ICAO-OHCHRガイドライン」実施をサポートするべく、オンライントレーニングを開始したことを発表した。ICAOは開発したトレーニングについて、客室乗務員がフライト中に旅客を観察し、人身売買の被害者を特定して被害を未然に防ぐ機会を探るもので、空港やその他の航空業界の専門家にとっても価値のあるコース要素となるだろうとしている。
 過去にはアラスカ航空の客室乗務員が、人身売買に巻き込まれた少女に気付き救ったというケースもみられている。そうしたなかでICAOが開発したオンライントレーニングは、国連(UN)人権高等弁務官事務所(OHCHR)の協力の下で開発した。
 ICAOのファン・リウ事務局長は、「世界の航空業界全体が人身売買を防止する上で果たすべき重要な役割がある」と強調。「ICAO-OHCHR ガイドライン」に基づいた新しいトレーニングの開発は、最終的には人身売買による国際航空輸送の乱用に終止符を打つことに貢献するものであるとの見方を示した。
 リュー事務局長は「人身売買は恐るべき犯罪であり、被害者の権利に対する恐るべき侵害」とコメントしながら、「それに立ち向かう国際航空輸送部門の努力は非常に重要」と話した。・・・

 

※写真=ICAOは民間航空が人身売買に利用されることを防ぐべく客室乗務員向けのオンライン訓練を開発した。客室乗務員や空港スタッフなどの鋭い観察眼が重大な犯罪を未然に防止する(提供:ICAO)