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2020.06.15

WING

業界は回復に「自信」も、消費者が抱く航空輸送への「恐れ」

OAG調査、消費者の機内感染不安が如実に

 世界の航空会社各社は新型コロナウィルス危機から回復を図ろうと、夏の繁忙期シーズンに向けて座席供給量を少しずつではあるものの拡大を図り、旅客需要回復にわずかながら自信を持ち始めている様相だ。一方、航空輸送の利用に関する消費者心理は、まだまだ感染への恐怖からか慎重なようだ。フライトデータなどを提供するOAGが、同社主催のオンラインセミナーに参加した33カ国の航空業界などの関係者に対して、自国の消費者心理に関するアンケート調査を実施したところ、多くの国々で自国の消費者心理としては、航空輸送の利用について機内感染に対する不安から、未だ多くの人々が「怖い」と考えている傾向が強いことが浮き彫りになった。
 航空業界は感染拡大を防止すべく、独自のバイオセキュリティー(防疫)対策を講じて、空港、ラウンジ、機内など、航空輸送利用に関する様々な対策を打ち出してきている。もともと航空機には、客室内の空気を綺麗にする高性能なHEPAフィルターが装備されているほか、空気の流れが上層から下層へ流れる仕組みになっているなど、機内感染が発生しにくい環境となっている。そこにさらに多重の対策を講じて、より安全安心な客室環境を提供することで利用者の不安を払拭したい狙いだ。業界が安全性を訴え続ける一方で、それでもいわゆる「3密空間」である機内における機内感染を懸念する利用者は多い。
 OAGは10段階評価で自国の消費者心理について、「1」を「怖い」、「10」を「安心」としてアンケートを実施したところ、その平均スコアはわずか3.8という結果となり、各国の消費者マインドは航空輸送の利用に対して、機内感染発生の「恐れ」を抱いていることが明らかになった。・・・

 

仕事ならば35%がすぐにも利用
25%は安全確信まで、ワクチン開発など切望

 

レジャー利用、76%が年内に国内線利用
国際線も58%が年内に利用か

 

夏向け航空会社多くの座席準備
週追う毎に減少、業界期待とミスマッチか

 

※グラフ=各地域における消費者心理(提供:OAG)

※グラフ=世界平均でみてみると10段階評価でスコアは3.8に留まった(提供:OAG)

※グラフ=仕事でいつ航空機を利用するか?。仕事ならばすぐにでも利用すると回答した人は35%近くに(提供:OAG)

※グラフ=個人のレジャーなどで次にいつ国内線を利用するか?(提供:OAG)

※グラフ=個人のレジャーなどで次にいつ国際線を利用するか?(提供:OAG)