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2018.06.25

WING

小野寺防相、築城基地滑走路2700メートル化検討

再編ロードマップ、普天間の緊急時受入機能付与

 小野寺五典防衛大臣は6月22日の閣議後会見で、在日米軍が緊急時に築城基地を使用するため、同基地の約2400メートルの滑走路を普天間飛行場と同じ約2700メートルまで延伸するよう、米側から提案があったことを明らかにした。防衛省としては米側からの提案を踏まえて、築城基地の滑走路延伸の可否について、今年度から「滑走路延長の基本検討調査を実施する予定」だと語った。
 この米側からの提案については、2006(平成18)年5月の「再編の実施のための日米ロードマップ」において合意された「普天間飛行場の能力を代替することに関連する、航空自衛隊新田原基地および築城基地の緊急時の使用のための施設整備は、実地調査実施の後、普天間飛行場の返還前に、必要に応じて、行われる」という内容に沿ったもの。滑走路を延伸することで、普天間飛行場が有している「緊急時の航空機受入れ機能」を築城基地の滑走路に付与する。
 小野寺大臣は、このいきさつについて、随時ロードマップの協議を行う中で、緊急時に築城基地を使用する内容について「実際の滑走路が2400メートルということで、もう少し伸ばしてほしいという話があった」と説明した。その上で、防衛省としては滑走路延伸の必要性を感じているため、今年度から基本検討調査を行うことで、技術的な確認を行うとした。滑走路延伸の整備については、隣接する海岸の埋立も検討に含まれるところ。地元への説明については「累次、地元への説明をしていると報告を受けている」と話した。さらに、今のところは調査段階、検討段階であるため、具体的な段階になった時点で「詳細な報告はするものと思っている」と述べた。

 

 自衛隊・警察・海保の夜間共同訓練実施へ

 

 小野寺大臣は離島に武装集団が上陸した場合を想定した、自衛隊、警察、海上保安庁が共同で行う夜間訓練について説明した。これは鹿児島県の離島で行う夜間の共同訓練だとするも、訓練の内容など詳細は「事柄の性質上、答えを差し控えたい」と、詳細には触れなかった。
 しかし訓練の意義については、普段から様々な事案に対応するため、関係機関では「各種訓練の充実、各分野の取組みを強化している」として、それぞれの対応能力の向上と、相互の連携強化を図ってきたとして、訓練の必要性を強調した。

 

 キャンプシュワブ隣接地に流れ弾、詳細究明し対応

 

 小野寺大臣は、沖縄県名護市の農作業小屋で21日、小屋のガラスが割れて、中から銃弾のようなものが見付かった事案で、「現在、沖縄防衛局から米軍に対し、発見された物が米軍のものかどうかを確認しているところ」だと説明した。
 さらに過去には、その近傍で米軍の弾が発見された事案も起こっていることを説明し「私どもとしては、米側にしっかり確認をした上で、その結果を踏まえ、適切に対応していきたい」と述べた。米軍では、18〜24日に隣接するキャンプシュワブ内で実弾訓練を実施していたともいわれるが、まずは、この流れ弾の詳細を確認した上で、対応する考えだとした。
 また防衛省では22日13時、沖縄防衛局から在沖縄海兵隊に対し、この弾が米軍の銃弾である可能性も排除できないとし、当面考えられる射撃場の使用取り止めを申し入れた。その際に米側から、関係する可能性がある射撃場の使用を中止するとして、警察と調査に協力していると回答があった。事案の全容が把握できるまで、キャンプシュワブの射撃場使用の中止を求めていく。