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2020.06.05

ウイングトラベル

★IATA、旅客需要は「4月に底打ち、回復へ」

 旅客需要は前年比94.3%減、「4月は最も残酷な月」

 国際航空運送協会(IATA)が発表した4月における世界の旅客輸送実績によると、世界全体の国際線・国内線の旅客需要を示すRPK数値が、対前年同月比94.3%減少するという、かつてない数値となったことが明らかになった。その一方、「旅客需要は4月に底を打ち、回復し始めている」とし、世界は航空再開に向けて歩みをスタートしたとの認識を示した。
 IATAによると、4月の旅客需要を示すRPKは前述したように、新型コロナウイルスの感染拡大に伴う大規模な出入国制限に伴って、2019年4月と比較して94.3%減と急落。「これはIATAが調査を開始した1990年まで遡ってみても、史上類例のない下落率だ」と振り返った。一方、座席供給量を示すASKも87%減と大幅に落ち込んだものの、それでも搭乗率は46.6ポイント悪化した36.6%に留まった。
 航空会社における座席供給量の回復の動きは加速しており、IATAの調べでは4月21日から5月27日までの間に、「1日のフライト数が30%増加した」ことを明かした。これらは主として国内線の運航であって、旅客需要についても前年のわずか5.7%に留まるなど前年対比で低水準なものとなったが、それでも運航便数の増加は航空会社が旅客需要に「手応え」を感じ始めている兆候との見方もできる。

 

※写真=4月の旅客需要は史上最悪の下落率に。業界にとって最も残酷な月となった。ただ、既にそこから回復の兆候は見えているとして需要の減少は4月に底打ちとなった