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2020.06.04

ウイングトラベル

★ZIPAIR、貨物専用便で商業運航スタート

 旅客便就航、現状ではバンコク・ソウル線とも厳しい

 日本航空(JAL)グループ傘下で中長距離LCCとして設立したZIPAIR Tokyo(ZIPAIR)が6月3日、成田−バンコク線で商業運航をスタートした。同社の就航初便は新型コロナウイルスの影響で旅客便ではなく、貨物専用便としてのスタート。旅客は搭乗せず、ベリースペースに機械部品のほか、化学製品、石鹸、洗剤などといった13トンの物資を搭載して、バンコクに向けて成田空港を飛び立った。一方、成田への復路便には、ハードディスクなどの工業製品を計17トン搭載する。
 JALの完全子会社として、また本邦初の中長距離LCCとして注目を集めるZIPAIRだが、その船出は多難なものとなった。新型コロナウイルスの感染拡大という未曾有の危機が、就航を目前にして降りかかり、当初計画していた5月14日の成田−バンコク線の旅客定期便就航は延期となってしまった。

 ホノルル就航向けETOPS取得準備
 バンコク線で飛行実績、冬ダイヤに間に合う

 ZIPAIRは予てから北米(西海岸・ハワイ)や欧州への路線ネットワーク展開を目指しているが、先ごろ米運輸省(USDOT)に対して、今冬ダイヤにおけるホノルル線開設を申請済みだ。このホノルル線就航の鍵の一つとなるのが、ETOPS飛行の認可取得だ。
 西田社長は「(ETOPS認可取得には)最大一年以上はかかるだろうと思っていた」としながら、USDOTに提出したホノルル線開設の前提となっているETOPSの認可を取得すべく、「準備をしている」ことを明かし、バンコク線で飛行実績を作っていく方針を示した。

 

※写真=成田→バンコク線において貨物専用便として就航したZIPAIR。新型コロナの影響で旅客便での就航は叶わなかった

 

※写真=貨物のスポット205番から出発するZIPAIR。社員が横断幕で見送った

 

※写真=成田空港を飛び立つZIPAIR初便