ZIPAIR、貨物専用便で商業運航スタート

旅客便就航、現状ではバンコク・ソウル線とも厳しい

　日本航空（JAL）グループ傘下で中長距離LCCとして設立したZIPAIR Tokyo（ZIPAIR）が6月3日、成田－バンコク線で商業運航をスタートした。同社の就航初便は新型コロナウイルスの影響で旅客便ではなく、貨物専用便としてのスタート。旅客は搭乗せず、ベリースペースに機械部品のほか、化学製品、石鹸、洗剤などといった13トンの物資を搭載して、バンコクに向けて成田空港を飛び立った。一方、成田への復路便には、ハードディスクなどの工業製品を計17トン搭載する。
　JALの完全子会社として、また本邦初の中長距離LCCとして注目を集めるZIPAIRだが、その船出は多難なものとなった。新型コロナウイルスの感染拡大という未曾有の危機が、就航を目前にして降りかかり、当初計画していた5月14日の成田－バンコク線の旅客定期便就航は延期となってしまった。
　同社の初便は貨物専用便としての運航スタートなったが、やはり気になるのは旅客便の運航開始見通しだ。そもそもタイは6月30日までの間、タイ行きの航空機について飛行禁止措置を講じており、6月いっぱい就航することはできない。飛行禁止措置が解除された場合の対応についてZIPAIRの西田真吾社長は、「入国制限が厳しい、もしくは検疫体制が強化されたままの状態でどのくらいの方が移動することができるのだろうか。日本、タイそれぞれの出入国について、双方がそれなりに見込むことができなければ、成立しない」と話し、・・・

ホノルル就航向けETOPS取得準備
バンコク線で飛行実績、冬ダイヤに間に合う

※写真＝成田→バンコク線において貨物専用便として就航したZIPAIR。新型コロナの影響で旅客便での就航は叶わなかった

※写真＝貨物のスポット205番から出発するZIPAIR。社員が横断幕で見送った

※写真＝成田空港を飛び立つZIPAIR初便