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2020.02.19

WING

河野防相、ミュンヘン安全保障会議で各国と積極会談

サイバー分野などウクライナと防衛協力推進

 河野太郎防衛大臣は、去る2月15日にドイツを訪問して「ミュンヘン安全保障会議」へ出席。それに伴って、主催のドイツをはじめとした、ウクライナ、カナダ、フランスの各国防大臣のほか、EU上級代表、NATO事務総長とバイ会談を実施した。この会談の成果として河野大臣は、お互いの防衛に関する政策、協力、交流、地域情勢など幅広く意見交換できたと説明した。「自由で開かれたインド太平洋ビジョン」の実現に向けた話し合いが行えたため「大変有意義だった」と評価した。
 いくつかの会談の中でも、特にウクライナのアンドリー・ザホロドニューク国防大臣との防衛相会談は、史上初のこと。ウクライナはかつて、ロシアとのサイバー戦を経験していて、同分野の知見が深い。日本とウクライナ間では、2018年に防衛協力の覚書を結んでいて、河野大臣は会談後に「覚書に沿ったかたちで防衛協力を進めたい」と説明した。また両国間では、サイバー分野を含め、様々な分野で交流ができるとして、今後交流の拡大へ向けて推進する構えを示した。
 また河野大臣は、フランスのフロランス・パルリ軍事大臣との日仏防衛相会談で、日本からの中東地域派遣状況について、説明を行ったという。日本としては、独立したイニシアチブで活動する。一方のフランスでは、オランダ、デンマークなどと、ヨーロッパのイニシアチブとして、アブダビに本拠を置いて行動するといった説明を受けたという。河野大臣は、日本の船舶の航行の安全のため、フランスをはじめとしたヨーロッパと、コミュニケーションを取っていきたい考えを示した。

 

各国・機関と協力推進、交流さらに進展へ

 

 日ウクライナ防衛相会談で河野大臣は、日本政府では一貫してウクライナの主権と領土一体性を尊重していることを強調した。また、力による現状変更の試みについては、断じて認めない立場だとした。さらに、様々な対話を通じて、防衛・安全保障分野の協力を深化させたい考えを示した。ザホロドニューク大臣も、日ウクライナ間の防衛協力および交流をさらに進展させたい意向を示した。また両国間では、防衛協力の重要性を確認しつつ、2018年署名の防衛協力・交流覚書に基づいて、各種協力を具体化していくことで一致した。・・・

 

防衛大臣の会議参加は10年ぶり

 

※写真1=ウクライナのアンドリー・ザホロドニューク国防大臣との防衛相会談(提供:防衛省)

※写真2=フランスのフロランス・パルリ軍事大臣との会談で、中東地域派遣部隊について、コミュニケーションを積極的に行っていきたい考えを示した(提供:防衛省)

※写真3=ドイツのクランプ=カレンバウアー国防大臣からは年内に訪日を実現させたい考えが示された(提供:防衛省)