2020.01.09

WING

自衛隊の新領域能力、各分野複合的に獲得・強化へ

統幕・市田指揮通信部長インタビュー、いかに情報通信を防衛するか

 防衛省統合幕僚監部指揮通信システム部長の市田章海将補はWINGのインタビューに応じ、能力の獲得・強化を急ぐ宇宙・サイバー・電磁波の新領域について、防衛省・自衛隊として各領域の能力を複合的に構築していく考えを示した。それぞれの領域が単体で独自に機能するのではなく、従来の物理的領域「すなわち陸・海・空領域と併せてより有機的に結合し、能力として融合していくことが目指すべき方向性」だと説明した。
 新領域の能力獲得・強化について、防衛省・自衛隊は2018年12月末の30大綱・31中期防で明確に示した。市田部長は、周辺国をはじめ世界の新領域能力は「ものすごいスピードで進んでいる」と強調。その状況を受けて、防衛省・自衛隊として安全保障環境の変化を見積もる。こうした「劇的な変化に対してどう対応するのか」を突き詰めると、サイバー・宇宙・電磁波領域の能力の構築が必須であり、さらには領域横断(クロスドメイン)の防衛力強化によって、全体能力を増幅させる必要がある。
 それでは、各能力をどのように有機的に結合していくのか。「サイバーにしろ、宇宙にしろ、電磁波にしろ、新領域といわれるそれぞれの領域では、単体で活動する部分と、重複して活動する部分がある」のだという。すでに重複して活動している例としては、通信衛星だ。これは、宇宙利用の既存能力でありながら、なおかつ能力強化を一層図る必要のあるアセットである。「これはまさに宇宙領域とサイバー領域が重複しているところ」になる。衛星で電波を飛ばして、次のアセットへ情報を伝達する。それこそが必要な情報だ。この情報は、サイバーに関わるフォーマットでやり取りされる。この通信の状況を守るため、例えばどのように通信衛星を守るか、あるいは通信衛星を使った通信をどう守るか、など幅広い状況を検討しなければいけない。その過程で、宇宙・電磁波・サイバーそれぞれの領域が絡んでいくことになるのだ。

 宇宙空間、相手を妨げる能力獲得
 必要なのは関係先進国との連携
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 港を守るには港の外へ