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2019.12.13

WING

海上自衛隊掃海艦「えたじま」が命名・進水

「あわじ」型3番艦は海自と縁深い江田島が由来

 海上自衛隊とジャパンマリンユナイテッド(JMU)は12月12日、JMUの横浜事業所鶴見工場で「平成29年(2017年)度計画掃海艦(29MSO)」の命名・進水式を行なった。
 命名・進水式には防衛省関係者、JMUの社員をはじめ、多数の関係者・招待者らが臨席し、中にはスウェーデンやUAEの駐在武官も見られた。多数の関係者が見守る中、「あわじ」型掃海艦の3番艦となる29MSOは、河野太郎防衛大臣により「えたじま」と命名。河野大臣が支綱を切断して、舳先に備え付けられたシャンパンが割られると同時に、「えたじま」は船台から海へと引き出され見事に進水した。「えたじま」はこれから艤装作業に入り、2021年3月に完成、引き渡しを予定している。ちなみに就役後の配置先は決まっていないという。
 「えたじま」の艦名は、かつて旧海軍兵学校が所在し、現在は海自幹部候補生学校、第1術科学校が所在する広島県の江田島に由来し、防衛大臣が艦名を決定した。
 「あわじ」型掃海艦3番艦となった「えたじま」は、同型艦の「あわじ」、「ひらど」とともに海上自衛隊における最大のFRP製掃海艦。自走式機雷処分用弾薬や光学式監視装置のほか、ソーナー装置など掃海装置1式、20ミリ遠隔管制機関砲を装備しており、対潜水艦の深々度機雷を排除することができる。なお、海自では2020年(令和2年)度予算で「あわじ」型掃海艦4番艦の建造を128億円で要求している。

 

〈「あわじ」型掃海艦3番艦「えたじま」概要〉
▼基準排水量:690トン
▼全長:67メートル
▼最大幅:11メートル
▼深さ:5.2メートル
▼喫水:2.7メートル
▼機関:ディーゼル2機2軸(2200馬力)
▼速力:約14ノット
▼主要武器:20ミリ遠隔管制機関砲、掃海装置1式
▼艤装員長:石田浩太郎2等海佐

 

※写真=「あわじ」型掃海艦3番艦は「えたじま」と命名され、音楽隊の「軍艦マーチ」と関係者らの拍手を浴びながら船台を滑り降りていった

※写真=命名書を読み上げる河野太郎防衛大臣と命名書

※写真=進水式後の「えたじま」。今後は艤装作業に入り、2021年3月に完成、引き渡しを予定している

※写真=「えたじま」の艦首。FRP製の船体のため、鋼製の船体とは違った「模様」が見れる

※写真=「えたじま」の艦尾。既にクレーンなどは取付けられている

※写真=舵はスクリューの直後に配置しており、応答性は高そうだ