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2019.12.13

ウイングトラベル

HIS通期決算、売上高過去最高も営業減益に

海外旅行好調もハウステンボスや訪日事業苦戦

 エイチ・アイ・エス(HIS)が12月12日に発表した2019年10月期(18年11月〜19年10月)連結決算は売上高が前年同期比11.0%増の8085億1000万円、営業利益が3.0%減の175億4000万円、経常利益12.4%減の170億8900万円、当期純利益は122億4900万円となった。
 売上高は日本人の海外旅行が好調に推移したことに加え、カナダのRed Labal社の連結子会社化、電力小売事業の伸長もあり過去最高を更新した。一方でハウステンボス(HTB)の入場者数減に伴う減収や訪日事業の苦戦、ホテル事業の開業費用の一括計上などが響き、営業利益は減益。経常利益も9億円の為替差損の発生やHTBで7億円の資産評価損が発生したため減益となった。純利益に関してはユニゾホールディングスの株式売却に伴い41億円の特別利益が発生したことにより、増益となった。
 セグメントごとの業績を見ると、旅行事業は売上高が10.9%増の7224億6400万円、営業利益が12.7%増の137億5400万円となった。

 

 20年10月期売上高9000億円、営業益193億円へ
 日本人出国者3〜4%増見込む、ロングホール販促強化
 海外事業強化へ北米で持株会社設立
 アジアでトラベルテック企業のM&Aを計画
 澤田社長「旅行事業中核にポートフォリオ強化」

 ホテル事業「多くのこと学んだ」、旅館再生事にも意欲

 2020年10月以降の事業展開についてHISの澤田秀雄会長兼社長は「旅行事業をメーンとしてエンターテインメント事業、ホテル、エネルギー、地方創生事業、金融といった各ポートフォリオの強化に取り組んでいく」とした上で「新たなビジネスとして不動産事業。さらに世界各地の拠点を活かした商社事業にも今後力を入れていき、日本の良いモノを世界に、現地の良いモノを日本にといった活動を今後大きくしていきたい」と述べた。さらに「チャレンジ領域として、ロボット、食、宇宙、モビリティの4領域について事業化に向けて準備を進めている」と語った。

 

※写真=2019年10月期決算の内容を説明するHISの澤田秀雄会長兼社長