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2019.08.30

WING

海自概算要求、対前年比740億円増の1兆2987億円

新規後年度負担は8194億円と対前年比1665億円増

 海上自衛隊の2020(令和2)年度概算要求の予算規模は、歳出が1兆2987億円(対前年度740億円増)、新規後年度負担が8194億円(同1665億円増)となっており、30FFMの増備や3000トン型潜水艦といった艦艇建造や艦齢・機齢延伸等によりで後年度負担が増加している。なお、歳出の内訳は人件糧食費が4072億円(同89億円減)、歳出化が7018億円(同742億円増)、一般物件費が1897億円(同87億円増)となった。2020年度も歳出化費が増加している。

 

FFM、潜水艦のほか掃海艦を新たに建造
艦齢延伸も護衛艦7隻、潜水艦7隻分要求

 

 海自の概算要求では、新たに護衛艦など艦艇12隻を新造するほか、護衛艦の艦齢延伸を実施し、護衛艦隊の体制維持に努める方針だ。対機雷戦機能を持つ小型護衛艦となる3900トン型護衛艦(30FFM)の5,6番艦(約940億円)を要求したほか、潜水艦22隻体制実現のために探知能力を向上させた3000トン型潜水艦(29SS)の4番艦(約696億円)、FRP製の船体を持つ「あわじ型」掃海艦(MSO)の4番艦を新規調達する。そのほかの新造船としては、油船(YG)(270トン型)2隻(約7億円)、油船(YO)(490トン型)2隻(約8億円)、運貨船(YL)(200トン型)1隻(約1億円)、えい船(YT)(260トン型)1隻(約4億円)、水船(YW)(310トン型)2隻(約7億円)を要求する。
 艦齢延伸のうち護衛艦は、「あさぎり」型護衛艦3隻(工事:はまぎり、うみぎり、部品調達および工事:さわぎり)、「あぶくま」型護衛艦3隻(工事:あぶくま、じんつう、せんだい)、「こんごう」型護衛艦3隻(部品調達:こんごう、みょうこう、工事:きりしま)、「むらさめ」型護衛艦2隻(部品調達:むらさめ、はるさめ)の合計12隻、約83億円となる。潜水艦は「おやしお」型潜水艦8隻(内工事3隻、部品調達5隻)が約24億円、「そうりゅう」型潜水艦2隻(内部品調達2隻)は約1億円、「ひびき」型音響測定艦2隻(工事:ひびき、部品調達:はりま)が約7億円、「とわだ」型補給艦1隻(工事:ときわ)が約2億円となり、艦船建造で約1791億円、艦齢延伸で約117億円となった。

 

P-1 3機、SH-60K 7機調達、機齢延伸は13機 
「いずも」は定期整備に合わせ部分改修

 

※写真=「いずも」は今年度末の定期整備に合わせ、F-35Bの離着艦可能とするための部分改修に入る(提供:海上自衛隊)

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※写真=SH-60K哨戒ヘリ3機を救難仕様に改修する。改修は可逆的のため、将来救難機が増勢した際には哨戒機に戻すこともできる