2018.05.16

WING

中部決算、増収増益で売上高・経常で過去最高に

各務副社長、“爆買い”の15年超え「節目の20期に」

 中部国際空港会社の各務正人副社長は5月15日の会見で、同社の2018年3月期決算が売上げ、経常利益とも過去最高の増収増益になったと説明した。売上高が前年度比7.6%増の589億6000万円で、営業利益が15.7%増の89億1000万円、経常利益が24.2%増の80億2000万円、当期純利益が30.2%増の54億4000万円。旅客数の伸びと訪日外国人によって免税店売上げを押し上げ、2015年のいわゆる“爆買い”による業績を超えたとして、「節目となる第20期目として、今後の発展につながる決算」だと評価した。
 各務副社長は2017年度決算について、国際線・国内線ともに新規・増便が相次ぎ、かつてダラス-マニラ線の中継地点として活況だった「2007年度の旅客数と同じ水準」になったと説明。そのため空港事業、商業事業、交通アクセス施設事業のいずれも前年度を上回る収益で、過去最高になったと説明した。
 一方で、営業費用は6.2%増の500億5000万円で、商業事業の拡大によって仕入れ費用などが22億1000万円増加した。さらに人員の増強も図ったため、物件費・人件費で6億2000万円増となり、システムなど更新投資やエプロン整備などを実施したことで減価償却費が1億円増えたという。
 増収影響によって、利益面でも経常利益、当期純利益で過去最高となった。しかし営業利益については、開業年度の90億3000万円を超えられず、2番目の実績となった。その理由については、開港初年度で税率が低かったことなどから「今期は実質的な過去最高になる」と説明した。
 セントレアの2017年度利用実績は、旅客数が全体で5.3%増の1153万人になり、そのうち国際線航空旅客数が6.3%増の556万人、国内線旅客数が4.3%増の597万人となった。航空機発着数は0.4%減の10万回で、そのうち国際線が0.5%減の3万9000回、国内線が0.4%減の6万1000回といずれも微減。国際貨物取扱量は8.7%増の17万9000トンだった。旅客については、Vエアーの運休やジェットスター・ジャパンの減便による台湾線の減少や、中国内陸便の減少などがあったものの、アジア路線などを中心に増便し、前年を上回った。発着数では、前年の伊勢志摩サミットの公用機発着分で差が生じ微減になったとした。

 相次ぐ国際線・LCC就航で空港事業売上げ275億円
 旅客伸び免税が好調、商業事業が288億円に

 セグメント別に業績を見ると、空港事業の売上げが1.9%増の275億3000万円で、国際線としては3億6000万円増、国内線が9000万円増、その他として5000万円増だった。国際・国内線ともに旅客数の拡大基調が続き、特に国際線では訪日外国人を中心に需要が拡大した。国内線ではLCCの就航が底上げとなって、新たな需要が創出されたという。国際線で注目されるのが、エア・カナダルージュのバンクーバー線新規就航だ。北米西海岸線はセントレアにとって空白路線だったが、そこへ直行便が実現した。またベトナム航空のホーチミン線、ルフトハンザのフランクフルト線、セブパシフィック航空のマニラ線、チェジュ航空のソウル線、香港エクスプレスの香港線などが相次いだ。
 国内線では、エアアジア・ジャパンが本社機能をセントレアに置く初の航空会社として、札幌線へ就航を開始した。それに加え、ジェットスター・ジャパンもセントレア拠点化を表明するなど、ネットワーク拡大への動きが加速化した。さらには、全日空の宮古線が通年運航となったほか、スカイマークが沖縄線で夏期繁忙期に深夜・早朝便を運航するなど、新規需要創出につながる路線が拡充された。
 商業事業は売上げが14%増の288億2000万円。そのうち、免税売上げが32億5000万円増、その他が2億8000万円増で、免税売上げは過去最高を更新した202億6400万円となった。また前期には商業施設の新設や大規模リニューアルを行ったことも後押しとなって、商業事業は空港事業を上回る売上げとなった。免税店では、新規ブランドを導入し、多様な決済手段に対応して訪日外国人需要に応えた。また、旅客ターミナルビル内にカプセルホテル、隣接地にペットホテルを開業させて、利便性の向上に取り組んだ。
 交通アクセス施設事業は、売上げが3.9%増の26億1000万円となった。セントレアでは、新ターミナルの供用開始に向けてスポット整備を行い、それに伴って駐車場容量が縮小した。しかし、臨時駐車場の設置による対応と、旅客増加、さらには深夜・早朝の増便による繁忙期以外の利用者増加によって、駐車場利用台数が1.1%増の146万3000台になって、駐車場の収益が9000万円増となった。

 18年度予想、旅客さらに拡大
 売上・利益とも過去最高に

 2018年度の予想は、航空ネットワークの拡大によって、過去最高の旅客数を見込み、売上げ・各利益で過去最高になる見通しだとした。売上高は2017年度実績比7%増の631億円、営業費用が7%増の537億円、営業利益が5%増の94億円、経常利益が6%増の85億円、当期純利益が3%増の56億円と予想した。空港利用の予想としては、航空旅客数が13%増の1300万人で、そのうち国際旅客が11%増の620万人、国内旅客が14%増の680万人。航空機発着数が全体で9%増の11万回とした。国際線貨物量では1万トン増の19万トンと予想した。
 各務副社長は旅客および路線の拡大に向けて、アジア地域の中でも空白地となっていたマレーシアやインドネシアなどの路線獲得に期待感を示した。新たにベトナム空港によって就航したホーチミン線などでは、需要が伸びていることを指摘した上で「路線が引かれれば、自信はある」と述べ、潜在需要があると説明した。さらに長距離路線についても、すでにセントレアから路線を引いているフィンエアーやルフトハンザ以外にも航空会社を獲得したい考えを明かした。中・長距離路線はフルサービスキャリアだけでは十分ではないため、LCCの就航に期待感を示す。各務副社長は1つの例として、ジェットスター・ジャパンの拠点化に伴いジェットスター航空によるオーストラリア線を示し、そのためにも「引き続き地元と一丸となって路線獲得を目指す」と話した。
 また、商業売上げの拡大として期待される今年8月オープン予定の「FLIGHT OF DREAMS」は、初年度は売上げに大きく貢献しないと予想した。同施設は、2019年度上期供用開始を予定する新ターミナルビルや、愛知県国際展示場と通路によって接続される計画。オープン直後は来港者の動線上にないため「売上高はそれほど大きくないと見ている」とした。

 

※写真=最高の旅客数となって、中部会社は売上げ・経常利益で過去最高となった