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2018.05.16

WING

小野寺防衛相、F-35A国産3号機を15日三沢に配備

米国からの5機も26日に配備予定で合計7機に

 小野寺五典防衛大臣は5月15日、航空自衛隊三沢基地に国内で組立てられた3機目のF-35A戦闘機が同日配備となり、米国で教育訓練、試験に使用されている5機のF-35Aも5月26日には三沢に配備され、三沢配備の空自F-35Aは7機体制になる予定と発表した。引き続き2018年度中に更に3機が三沢配備となり、合計10機体制となる見込み。米国にある5機の内訳は完成機を米国で引き渡しを受けた4機と、三菱重工小牧南工場の最終組立・検査(FACO)施設で組立てられた最初の1機(通算5号機)。
 F-35Aの配備について同大臣は「周辺国が戦闘機をはじめとする航空戦力の近代化や増強を急速に進めている中で、F-35Aの配備は極めて大きな意義がある」とのべ、「防空能力はもちろん、統合運用、日米相互運用能力の強化につながっていく」との考えを示し、防衛省として今後も着実なF-35Aの導入をしていきたいとした。

 

 韓国と北朝鮮のタンカー接舷事案
 韓国からは「瀬取り」ではないとの回答

 
 東シナ海の公海上での韓国船籍タンカーが北朝鮮船籍タンカーに横付け確認事案に関しては、「瀬取り」の疑いがあるとされており、韓国側に調査を求めていた。小野寺防衛相は5月3日に海上自衛隊の補給艦「はまな」が両船の横付け接舷を確認し、関係省庁と情報を共有、「瀬取り」の可能性が排除されないとして、韓国に通報し、調査を依頼したと経緯を説明した。韓国側の調査結果は「瀬取り」の事実はなかったという確認があったと日本側に通報があったことを明らかにした。日本としては、引き続き国連安保理事会決議の完全履行を北朝鮮に求め、圧力を継続する観点から関係国と緊密に協力していく考えを述べた。
 この件については、防衛大臣記者会見後に、報道官より調査結果は外交ルートを通じて日本側に通報はあったが、具体的な時期など外交上のやりとりの詳細は答えを差し控えるとの返答だった。

 

 イージス・アショアの配備は秋田、山口県に

 また、小野寺防衛相はイージス・アショアの配備先について、14日に佐竹秋田県知事が東北防衛局からイージス・アショアについて説明したいとの連絡を受けたと明らかにしたことを受けて、候補地と考えられる秋田県、山口県の自治体に事務連絡したことを認め、候補地は未定だが、県単位で言えば秋田県、山口県と報告を受けていると答えた。イージス・アショアの配備については、2018年度予算で配備に必要な基本設計、地質・測量調査等のため必要な経費が計上されている。小野寺氏は説明の日程や内容については調整中のため詳細は答えを差し控えると述べた。

 

 中国空母等の動向を注視

 中国の国産空母の試験航海が13日に始まったことに関しては、更に3隻目が建造中とか4隻以上保有する計画があるなどの指摘を承知しているが、コメントは差し控えるとした。その上で一般論として、中国は継続的に高い水準で国防費を増加させ、軍事力を広範かつ急速に強化しつつ、周辺海空域での活動を急速に拡大・活発化させていると指摘。「例えば今年4月にウクライナから購入して改修した中国初の空母『遼寧』の推定艦載戦闘機の飛行が太平洋上で初めて確認された。太平洋側での中国軍の作戦遂行能力の向上につながると考えられ、重要な軍事事象として注目している」と述べた。防衛省として引き続き空母を含む中国の軍事動向に強い関心を持っていく考えを示した。

※写真=航空自衛隊F-35