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2019.06.24

WING

ロールス・ロイス、シーメンスから航空電動機事業取得へ

19年後半に取得完了、ハイブリッドや電動化加速へ

 ロールス・ロイスは、シーメンスが展開している航空機のハイブリッド電気推進事業を取得することで基本合意したことを発表した。ロールス・ロイスによれば、同社は2019年後半にも、同事業の取得を完了する見通しだ。シーメンスでは航空宇宙事業向けの完全電気推進及びハイブリッド電気推進のソリューション開発を担ってきた、約180名の電気技術専門の設計技師やエンジニアを擁している。このシーメンスの航空宇宙電気推進部隊を取り込むことで、ロールス・ロイスとしては次世代航空機の電動化で、ポテンシャルを拡大していく狙いだ。
 垂直離着陸のアーバン・エア・モビリティはもちろん、旅客機分野でもまた「電動化」への道は着実に歩み出している。すでに単通路機では2030年代には電動推進を用いた機体導入を掲げるエアラインが登場するなど、機体メーカー、エンジンメーカー各社は、次世代機として電動化やMEA(More Electric Aircraft)を加速する方針だ。
 そうしたなか今回ロールス・ロイスがシーメンスの航空宇宙ハイブリッド電気推進事業を取得することについてロールス・ロイスの電化部門ディレクターであるロブ・ワトソン氏は、「(シーメンスからの)事業取得は、重要なスキルと技術をロールス・ロイスにもたらし、弊社の航空宇宙事業における目標の実現を加速させるだろう」とコメント。さらに、「規模の拡大と専門性の向上により、ロールス・ロイスはハイブリッド動力と推進システムにおける多様な製品開発を一層推進することができる」とも話した。

 

ハイブリッド推進の地上試験は成功
E-Fan X、21年に試験飛行計画

 

※画像=ロールス・ロイスがシーメンスの航空宇宙ハイブリッド電気推進事業を年内取得へ。エアバスと共同でハイブリッド推進のリージョナルジェット実証機「E-Fan X」を初飛行することを目指す(提供:エアバス)