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2019.06.10

WING

防衛省、陸型イージス説明資料で遮蔽角度に誤り

不適地の遮蔽角度、実際よりも最大11度急角度に

 防衛省は、イージス・アショア配備を求める秋田県や地元住民への説明資料の中で、適地の検討条件の1つとなっていたレーダーの遮蔽について、不適となった国有地で遮蔽する山が実際よりも急な角度で表記されていたとして、これを訂正した。誤りが見付かった抽出国有地は全部で8ヵ所と、自衛隊施設1ヵ所。そのうち秋田県男鹿市の国有地では、遮蔽する地形の角度が資料では約15度となっていたところ、実際には約4度だった。この誤りは調査の段階で、実際の地形とは異なる縮尺の地図で角度を計算したためだとしている。それら9ヵ所は、正しい角度で検討したとしても、不適な土地だったという。間違いについて、8・9日に行った地元説明では、住民から反発する声が上がった。
 説明資料では、適地とした新屋演習場を選定する際に、青森・秋田・山形の3県から18ヵ所の国有地を抽出した。その条件として、(1)約1キロ平方メートル以上の土地面積を確保できること、(2)なるべく平坦な敷地を確保できること、(3)日本海側に位置していること、の3つの条件から抽出したという。そして弾道ミサイルを探知・追尾するレーダーの支障となるような遮蔽に関する検討を行ったところ、8ヵ所の国有地で遮蔽となる山があって不適とした。しかしこの8ヵ所すべて、遮蔽の角度が実際よりも急角度で示されていたことになる。

 

縮尺異なる地図使い候補地抽出
角度修正後も不適地は変わらず

 

〈訂正前後の遮蔽角度〉
▼青森県西津軽郡鰺ヶ沢町=誤:約17度、正:約15度
▼秋田県にかほ市=誤:約15度、正:約10度
▼秋田県由利本荘市=誤:約15度、正:約10度
▼秋田県にかほ市=誤:約15度、正:約13度
▼秋田県由利本荘市=誤:約17度、正:約13度
▼秋田県男鹿市=誤:約15度、正:約4度
▼山形県飽海郡遊佐町=誤:約15度、正:約10度
▼山形県酒田市=誤:約20度、正:約15度
▼青森県弘前演習場=誤:約15度、正:約11度

 

※写真=防衛省が配備計画を進めるイージス・アショア。この度の説明資料のミスでは、地元から反発も(提供:ロッキード・マーティン)

※図=当初の説明資料では、不適理由となった遮蔽角度が最大で11度も急角度となっていた(提供:防衛省)