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2020.08.24

9月から「Go To 東京」

 Go Toトラベル事業が7月22日にスタートしてから1カ月が経過した。効果は限定的、地方に還元されていないなどの批判がある中で、菅義偉内閣官房長官は「1カ月で少なくとも200万人が利用した」ことを明らかにした。
 菅長官はもとより、赤羽一嘉国土交通大臣、西村康稔経済再生担当大臣も口を揃えて、900万人の観光事業者が「瀕死の状態」であることを指摘する。旅行業界、宿泊業界、観光施設、交通事業など観光に関わる全ての人々とその家族が危機的状況にある。
 Go Toトラベル事業の実施により、感染防止対策を講じながら経済社会活動を再開する。観光業界を救うとともに、地方経済を活性化させる。なぜ、この事業が国・国民を挙げて実施できないのか。
 ことさらに地方への感染リスクを挙げて、Go Toトラベル事業にネガティブな主張をする人がいることが残念でならない。そんなに家に閉じこもってほしいのだろうか。外出する人と閉じこもる人の間に軋轢が生まれている。軋轢の単位は家族・友人・カップルから会社・学校・住民・地域に広がっていく。
 外出・旅行は不要不急ではない。外に出なければストレスが否が応でも溜まる。とくに、東京都民のストレスはこのままだと頂点に達するのではないか。都外に外出、旅行に行っている人もいるだろう。しかし、それを公然と言えないのは異常事態だ。いつまで、この状態を続けるのか。
 東京をGo Toトラベルの対象から除外した理由は何だったのか。東京が首都圏3県、大阪府と比較して、人口10万人当たりの感染者数や陽性率が高いが理由に挙げられた。
 確かに、Go Toトラベル開始直後の陽性者数は7月23日に366人と上昇し、8月1日には過去最多の472人に達した。しかし、その後は感染防止対策の徹底により感染者数は減速し、8月24日には95人と7月8日以来のとなる100人を下回った。その後も上下動はあるものの、8月1日をピークに減少傾向にある。
 8月20日時点では、週平均の10万人当りの感染者数は沖縄が突出して高く、東京、大阪、福岡などはほぼ同レベルにある。急激に感染者が増えた沖縄や愛知は県レベルで緊急事態宣言を発出した。緊急事態宣言は自治体レベルで発出可能だが、Go Toトラベルは国家事業で、一度決めたらなかなか動いてはくれない。
 10万人あたりの感染者数の数値をGo Toトラベル事業対象の根拠に挙げるなら、どうして沖縄をGo Toトラベル事業から除外しないのか。東京の対象外が続くなら、大阪、福岡はどうなるのか。
 赤羽大臣はGo Toトラベル事業の実施に当たり、東京を対象から除外した時に「断腸の思い」と語った。一日も早く東京を対象に加えたいと強調した。今がその時ではないか。
 東京都の重症者数が増えていること、東京から地方への感染リスクを言えば、いつまで経っても東京がGo Toトラベルの対象にはならない。
 西村大臣は9月の分科会で、感染状況を分析し、東京をGo Toトラベルの対象にするか検討するとの考えを示しているが、動きが遅い。東京をGo Toトラベル事業の対象とするのは9月中旬、遅くともシルバーウィーク前にスタートすべきだ。
 東京は国内旅行者、訪日旅行者の世界で一、ニを争うデスティネーションであり、東京都民の国内旅行による地方活性化もさることながら、地方から東京へ旅行することによって東京、日本の経済が活性化する。それが、訪日インバウンド復活の世界へのアピールにもなる。
 Go To EATキャンペーンも9月以降にスタートする。Go To EATキャンペーンの開始と合わせて、東京発着のGo Toトラベルキャンペーンをスタートすることで、一挙にGo Toキャンペーンを盛り上げ、感染防止対策を講じながら経済社会活動を両立させ、海外・訪日旅行の再開により日本経済を回復軌道に乗せたい。(石原)